リポーター発

フランス

麺も具も自家製ラーメン

2014/4/4
フランス風手作りラーメンを食べる悦木さんの長女

フランス風手作りラーメンを食べる悦木さんの長女

 「ラーメンづくりに挑戦しよう」と思い立った。きっかけは、日本のラーメン文化をPRする「パリラーメンウイーク」のニュースを知ったこと。出店した有名ラーメン店の名前を聞き、無性にラーメンが食べたくなったからだ。
 フランスでもパリならラーメン店があるのだが、私が住む地方都市にはない。仕方がないので、自分で一から作ることにした。
 具材はモヤシやワカメ、鶏ハム、ゆで卵で、スープはみそ、と決めた。だが、問題は、ここフランスの田舎町では材料がそろえられないのだ。
 まずモヤシ。売っていないので自分で緑豆を買ってきて、栽培した。大きめの瓶に、緑豆と水を一緒に入れ、1日ほど置くと芽が出てくる。1週間、毎日水を入れ替えて育て、収穫した。
 鶏ハムは、広島にいたころにテレビでやっていた情報番組で紹介されたレシピを思い出しながら作った。鶏の胸肉を使う方法で、思ったより簡単に無添加・無着色のハムが出来上がった。
 スープは、日本の料理サイト「クックパッド」のレシピを参考に作った。みそや鶏がら、ニンニク、ショウガなどを湯で溶いて作り上げた。
 問題は、最も肝心な麺だった。パリの日本食材の販売店にでも行かないと手に入らない。知恵を絞り、麺と同じく、小麦粉からできているパスタを麺風に仕立てることを思いついた。
 ラーメンの麺は炭酸ナトリウムが主成分のかん水でゆでられる。かん水は手に入りにくいので、よく似た成分の重曹を溶かした水を代用した。ゆで上がったパスタはラーメンの麺のようにもちもちし、匂いもそっくり。思わず「やった」と叫んでいた。
 出来上がった麺風パスタと具材をスープに入れ、やっとみそラーメンが完成した。味見はフランス人の夫と私、それに2歳4カ月の長女。「スープはフランス料理の鶏のブイヨンに似ている。母が作ってくれたブイヨン料理よりおいしい」と夫。普段、食が細い娘も平らげた。
 麺はパスタで作ったことを夫に伝えると「全然気づかなかった。てっきり日本から送ってもらったのかと思った」と大好評で、私も満足した。でもやっぱり、本場日本のラーメンが恋しい。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

 まりえ・えつき・よしこ 1981年、岡山市北区生まれ。2歳から広島市で過ごす。広島市立大時代にフランスのオルレアン大に交換留学。広島市内で勤務後、2009年に再び渡仏。10年1月にフランス人と結婚した。

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