リポーター発

ドイツ

感性磨く「森の幼稚園」

2014/4/24
色とりどりの花を摘む子どもたち

色とりどりの花を摘む子どもたち

 ドイツは「森の国」とも呼ばれている。どこの森にもきれいな散策路があり、誰もが気軽に散歩やハイキングを楽しめる。
 「森の幼稚園」と呼ばれる学びの場もある。森での活動を通じて、子どもの感性を養うのが狙いだ。園舎はなく、あるのは山小屋だけ。一日中、木の葉や枝、花びらで遊ぶなど、気の向くまま自由に時間を過ごす。
 この取り組みは、ある母親が子どもを森の中で養育したのが始まりとされる。デンマークで発祥し、1990年代ごろからドイツでも人気が出始めた。いまでは国内に300カ所以上あるという。
 一般の幼稚園でも、森との触れ合いを重視したプログラムが実施されている。息子が通う幼稚園では、森の幼稚園の考え方にならって年1回、「森の週間」と呼ばれる行事を営む。ことしは3月から4月にかけての2週間あり、息子たちは森の公園や小屋で遊んだり、散策路で花や枝を集めたりした。
 ことしは天候に恵まれたが、例年この時期に雪やあられが降ることも珍しくない。弁当や着替え、雨具一式が入ったリュックサックは、子どもの背中にはずしりと重い。自然の豊かさだけでなく、厳しさも体験することで感性が鍛えられるという考えなのだろう。
 期間中は、保護者が子どもを現地まで連れて行く。送迎バスはない。体調不良の子は自宅待機。花粉アレルギーの息子は途中から森へ行けなくなった。その場合、親が自宅で面倒をみることになる。
 負担が大きい割に反対する保護者が少ないのは、森との触れ合いを重視しているためだろう。来年も息子を参加させ、普段の幼稚園生活では味わえない体験を通じ、感性を磨いてほしいと思っている。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

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