リポーター発

トルコ

地域根付くムーラ・ケバブ

2014/9/8
ムーラ・ケバブを盛り付ける男性

ムーラ・ケバブを盛り付ける男性

 トルコ南西部のエーゲ海地方のムーラ市を訪れた。街の周囲に大きな岩山があり、中腹から裾野にかけて、複雑に入り組んだ小さな道と古民家が続く。段々畑のような場所に家が立っており、下山時は屋根の上を歩いているような気分になる。庭にはオリーブやイチジク、ブーゲンビリアが植えられ、ファンタジーの世界のようだ。
 現地の人から「ムーラ市には『ムーラ・ケバブ』という名物料理がある」と聞いた。お薦めは、この道約60年のケマルさんが経営する小さな食堂。午前6時の開店と同時に売り始め、多い日には50食分準備しても9時ごろには売り切れる人気ぶりという。
 私も午前7時に起きて店へ。透き通ったスープに肉の塊が入っていて、黒こしょうがかかっている。9トルコリラ(約450円)。レモンを搾り、ちぎったパンをスープに浸してから食べる。スープはおかわりできる。
 入っている肉は「オーラック」と呼ばれる子ヤギの肉。オーブンで焼き目を付けて脂分をしっかり出す。続いて土鍋に入れて水を加え、窯の熱で12時間しっかりと煮込む。スープにしても脂っぽくなく、うま味も出るので飽きがこない。
 「肉と水の量のバランスが重要。夜中も出来を見に行く」とケマルさん。店に25年通う常連や、わざわざ遠くから食べに来る人もいるという。中には、肉なしスープ(4トルコリラ=約200円)だけを頼む常連も。骨付きも注文できる。
 仕事前の客が相次ぎ店を訪れる。地域に根差し、客の胃袋を満たして栄養と元気を与えてくれる店の存在は大きいと実感した。(岡崎伸也=コンヤ在住)

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