リポーター発

ドイツ

レトロ機関車で小旅行

2014/9/8
E94型電気機関車を見る観光客たち

E94型電気機関車を見る観光客たち

 先日、友人家族と一緒に古い機関車に乗った。シュツットガルト鉄道保全団体が保有する歴史的価値の高い電気機関車だ。同団体は、年間で約20日、一般公開の日を設けている。毎回、違う車両や走行路線で鉄道ファンを楽しませている。
 その日は、1943年製のE94型088というモデルが登場した。ニックネームは「ドイツのクロコダイル」。濃い緑色の先頭車両が中央車両に連結する様子はとても迫力がある。駅のホームから、親子連れや望遠カメラを持った男性陣が熱いまなざしを送っていた。連結が完了すると、大きな拍手が湧き起こった。
 大型荷物の専用車両や食堂車両もある。荷物車両に自転車を載せようとする乗客を駅員が手伝っていた。車掌室では木製のハンドルに触って遊べるため、子どもたちの列ができていた。
 出発時刻が近づいたので車内へ。その瞬間、とてもレトロな雰囲気に包まれた。座席は木製の4人掛け。窓は木枠だ。頭上には大きな荷物棚が設置されており、何となく懐かしい気持ちになった。
 しばらくして、昔の制服に身を包んだ車掌が切符を売りにきた。料金は片道8ユーロ。通常運賃と比べて2倍以上の割高だが、この満足度の高さなら、むしろ良心的に感じた。一緒に記念写真も撮ってもらった。子どもたちに信号棒のおもちゃを勧められたので記念に買うと、子どもたちはうれしそうに車掌さんごっこを始めた。
 間もなく大きな汽笛が鳴り、機関車はゆっくりと動きだした。ガタンガタン。線路を進む感触が座席の下から伝わってきた。真っ青な空と緑豊かな草原のコントラストが車窓から飛び込んでくる。車デッキに出ると、心地よい風と草木の香りを感じることができた。
 小一時間の短い旅だったが、車内のノスタルジックな雰囲気と車窓越しの豊かな自然を思う存分堪能した。すがすがしい気持ちで家路に就いた。
 日によっては、黒煙を上げて走る蒸気機関車に乗ることもできるそうだ。行楽の秋が待ち遠しい。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

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