リポーター発

トルコ

郷土料理 女性が腕競う

2015/1/21
審査員(左側)に料理の説明をする女性

審査員(左側)に料理の説明をする女性

 トルコの首都アンカラからバスで南東へ約2時間。中央アナトリア特有の乾燥した大地の中心に、トルコ語で「広い野原にある町」を意味するクルシェヒールがある。郷土料理の調査に訪れた9月中旬、年に一度の女性の郷土料理コンテストとちょうど重なった。
 滞在中、郷土料理について教えてくれたヌルテンさんは、その審査員の一人。「女性たちが腕を振るった料理が勢ぞろいするから、この機会を逃さないで」と来場を促された。郷土の味を見詰め直すとともに、アイデアや工夫を凝らして新たな味を見つけ出すのが狙いで、ことしが3回目の開催という。
 当日は、郷土料理▽家庭料理▽デザート、小麦料理―3部門に計約30人が参加。それぞれがヒツジの腸詰めなど料理の魅力をプレゼンテーションし、皿の盛り方や食材の使い方、味、郷土性を踏まえながら、審査員が採点した。
 ある姉妹は母親と3人で毎回参加し、それぞれ1品ずつ作っていた。私も初めて見る郷土料理にひかれ、参加者に話を聞いた。審査を終えた女性たちは、とてもそわそわした様子で発表を待っていた。
 部門ごとに3位まで表彰され、大きさの異なる金メダルが受賞者の首にかけられた。すぐに電話で家族に喜びを伝える人、テレビ局のインタビューに応じる人…。選に漏れた女性たちは「来年はどんな作戦で賞を狙おうか」と早速アイデアを膨らませ始めているようだった。
 出品された料理は招待客に振る舞われ、私たちもいただいた。訪れる前は、トルコ国内でも知名度の低い地域で、どんな郷土料理があるのか想像もできなかったが、コンテストを通じて、食への意識の高さを感じることができた。
 継承されてきた味を守りつつ、新たな味を見つけていく―。今回の体験を通じて、郷土の食文化をもう一度掘り出し、見詰め直すことの大切さにあらためて触れることができた。(岡崎伸也=コンヤ在住)

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