リポーター発

トルコ

子ども喜ぶ 冬のつまみ

2015/1/21
ポップコーンを夢中で頰張る子どもたち

ポップコーンを夢中で頰張る子どもたち

 昨年12月、エーゲ地方と中央アナトリア地方のちょうど境目にあるアフヨンカラヒサール県を訪れた。ここは「アヘンの黒い要塞(ようさい)」という何とも恐ろしい名前が付いた地。ケシの実の栽培が盛んで、街のシンボルでもある岩山に城が築かれていることに由来する。
 食文化の調査をしていたときに知り合ったハサンさんに「ぜひ村へ招待したい」とお誘いがあったので、訪ねてみた。彼は料理人で、家族は牛の飼育やケシの実の栽培で生計を立てている。外国人客は初めてだったようだが、親日家のトルコ人にとって日本人は特別なようだ。
 乗り合いバスで家に着くと、部屋の窓から家族全員がこちらを向いていた。玄関を開けると、家族、親戚で出迎えてくれた。部屋はまきのストーブで暖められ、円卓の上には郷土料理がずらり。レンズ豆入りのパイ(ビュクメ)麦がゆ(ケシケキ)ひき割り小麦のブドウの葉包み(ドゥール・ヤプラックドルマス)焼きパンのシロップ漬け(エキメッキ・カダイフ)などがあった。
 食後は、皆さんとおしゃべりをしながら交流を図った。すると途中で、何やら機材のセッティングが始まった。ポップコーンを作るのだという。乾燥させた黄と紫のトウモロコシを入れて火に掛ける。粒の破裂が次々と始まり、あっという間に膨れ上がった。夏にはゆでたり、焼いたりして食べ、冬は乾燥させておいたものをポップコーンにしてつまみにするそうだ。
 いつも食べている黄色い種類と比べてトウモロコシそのもののうまみがあり、食感も違った。鍋に一握りの粒を入れ、少量の油と塩を入れて加熱すれば、油のうまみが回ったポップコーンになる。
 工場で作られた袋入りのポップコーンを食べるのが普通になったいま、自分たちが栽培した粒で、簡単に冬のつまみを作る。桁外れのおいしさに感動し、ついつい子どもと同じペースで食べてしまった。(岡崎伸也=コンヤ在住)

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