リポーター発

トルコ

食卓に花咲くドルマス

2015/2/23
エンギナルに米を詰めるルフサルさん

エンギナルに米を詰めるルフサルさん

 トルコ西部のエーゲ地方に、国内で人口規模が第3位の都市、イズミルがある。エーゲ地方の料理を調べる際、エンギナル(アーティチョーク)を見つけた。この地方が原産の食材で、イタリア料理でよく使われるが、日本では日常の食卓には上がらない。2〜3月に旬を迎える。
 今回、イズミルのクレタ島からのトルコ人移民協会のアドナン会長の家に招かれ、奥さんといとこのルフサルさんにエンギナルのドルマス(詰め物料理)を調理してもらった。
 ドルマスに使う場合はつぼみがほどよく開いた状態が適しているそうだ。外側にあるがくの硬い部分を取り除き、変色を防ぐためレモン水に漬けておく。続いて、みじん切りの玉ねぎをオリーブ油で炒め、米やミント、塩などを加えた後、隠し味に一つまみの砂糖を入れて軽く混ぜる。そうしてできた具をエンギナルのつぼみの中やがくの間に詰める。
 後は鍋に並べ、湯を半分くらいまで入れて、米の芯がなくなるまで火を入れる。米がふっくらと膨らみ、エンギナルのつぼみも花が咲いたようになり、見た目も豪華。崩すのがもったいなかった。がくの軟らかい食感とハーブ入りのピラフとが実に合う。
 市場では、つぼみの中から取り出した花の芯が瓶詰めされているエンギナルをいつでも買うことができる。旬の時季には、花の芯よりもつぼみを食べた方が、香りや味をより楽しめるという。旬の時季に一番おいしい食べ方でごちそうになることができた。エンギナルは、肝機能に良いとされ、本来は捨てる部分も全てゆで、その汁を飲むこともあるという。
 ルフサルさんは小さいころ、母親から、エンギナルの調理には使わない、硬いがくをもらっていたという。がくの元は軟らかく、歯でそぐとほんのりと甘みを感じるので、喜んで食べていたという。本当にエンギナルが好きな人は、がくまで好きなのだそうだ。(岡崎伸也=コンヤ在住)

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