リポーター発

ドイツ

ドイツ 春呼ぶ仮装行列に歓声の輪

2015/3/25

「カーニバル(謝肉祭)」と言えばブラジルのリオが有名だが、ここドイツでも盛大に祝う習慣がある。冬の悪霊を追放し、春の到来を願うカトリックのお祭りがそれである。ケルンやデュッセルドルフ、マインツの三都市では毎年、大規模なパレードがあり、若者を中心に欧州中から集まった大勢の人々が歌ったり、踊ったりの大騒ぎを繰り広げる。
 私が暮らすドイツ南部の都市シュツットガルトでも、2月17日にパレードがあった。三都市に並ぶとまでは言わないが、普段は静かな街が開放的でにぎやかな雰囲気に変わる。あいにく、この日は曇り空で最高気温も3度と凍えるような寒さだったが、スタートの1時間以上も前から沿道に人が集まり、先頭行列が到着するのを待ちわびた。
 50以上の団体が参加し、華やかな山車や、カラフルな民族衣装を身にまとった人々が約2キロの道のりを練り歩いた。ピエロや魔女、怪物などに扮(ふん)した人たちはひょうきんでサービス精神も旺盛だ。太鼓や笛を鳴らしながら観客に近寄ったり、肩を組んだり。頰にキスのプレゼントも。顔や楽器にペイントをして行進するマーチングバンドやチアリーダーの姿は祭りを一層盛り上げる。
 消防士や警察官、カウボーイなど、思い思いの衣装で仮装する観客も見物だ。「アラーフ」「ヘラウ」というカーニバル独特のあいさつの言葉は聞いているだけでも楽しい。王様やプリンセス、妖精などの姿をした子どもの姿もかわいらしいが、カーニバルの時期は、幼稚園や小学校へも仮装をして通学するというから驚く。
 沿道に多く詰め掛けた子どもの一番のお目当てがパレードの行列から配られるお菓子である。紙吹雪とともに、山車の上から大量のチョコレートやキャンディーなどが投げられる。子どもは必死に拾い集め、持参した袋にお菓子を詰め込んでいた。4歳になる私の息子も無我夢中でお菓子を集め、帰宅後に量ったら何と1キロを超えていた。一体、何トンのお菓子が配られたのだろうか。寒空の中の2時間で体は冷え切ってしまったが、春の訪れを感じさせてくれる祭りで心はすっかり温まった気がした。(宮武加苗=シュツットガルト在住)


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