リポーター発

ドイツ

ドイツ 長い休暇 地中海の島で

2015/4/15

 ドイツ人は休暇が大好きな国民だ。春や夏の旅行シーズンともなれば、1カ月近くの長期休暇を取る人も珍しくない。有休は完全消化が当たり前で、働きづめの部下に対して、休暇を取るようにと上司が忠告をすることもあるぐらいだ。まさに、ドイツ人は「休むために働いている」と言っても過言でない。
 そんなドイツ人に1番人気の海外旅行先なのが、地中海に浮かぶスペイン領の島、マヨルカ島だ。スペイン王室一家が夏を過ごすことでも有名な落ち着いたリゾート地である。年間を通じて過ごしやすい気候で、美しいビーチでのんびりとした時間を過ごすことができる。取れたての新鮮な魚介料理を堪能できるのもうれしい。州都パルマには歴史的な建造物が多く、特にマヨルカ大聖堂の荘厳な姿は圧巻である。ドイツから飛行機でわずか約2時間なのも魅力的だ。
 ドイツ語が通じるという利便性も人気の理由の一つだろう。先月、私たち家族もマヨルカ島に10日間滞在したが、ドイツ語だけでほぼ事が足りた。ホテルの従業員は流ちょうなドイツ語を自由に使いこなし、バスなどの交通機関でも簡単なドイツ語であればまず通じる。ドイツ語の看板であふれる繁華街や、レストランのメニューなどを見ると、ハワイのワイキキで日本人観光客が言葉に不自由しない感覚と似ている。
 しかし、短期間であちこち移動する日本人とは対照的に、長期間1カ所に滞在してのんびりと過ごすのがドイツ流。人気のリゾートホテルにはフィットネスジムやプール、テニスコートやスパなどが併設され、夜にはホテル内でフラメンコショーが楽しめるなど非常に充実している。家族連れには子どもの遊戯施設はもちろん、キンダーディスコ(子ども用のディスコ)まであり驚く。ラウンジで子どもがビリヤードをする姿も珍しくない。ホテル外に一歩も出ない人もいるというのも納得だ。こうしたホテルの宿泊客の大半がドイツ人である。
 せっかく海外にいるのにドイツ人だらけの環境ではもったいない気もするのだが、これも大切な休暇を自分たちが一番快適な環境で過ごしたいという思いなのであろうか。長い休暇が終わり、家路に就く頃になると、もう次の休暇のことを考えている。一生懸命働いて、一生懸命遊ぶ、そんな人生もなかなか、すてきではないかと思う。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

ホテル内で開かれるフラメンコショー。大人から子どもまで飽きさせないイベントが盛りだくさんだ 

ホテル内で開かれるフラメンコショー。大人から子どもまで飽きさせないイベントが盛りだくさんだ 

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