リポーター発

ドイツ

ドイツ 野生公園 餌やりで衝撃

2015/4/22

 ドイツには、自然との触れ合いを目的とした「野生公園」がたくさんある。自然に近い形で飼育されている動物の姿を、年間を通じていつでも見ることができる。誰もが気軽に利用できるよう、入園無料であることが多い。
 シュツットガルト郊外にあるフォルツハイム野生公園もその一つだ。約16ヘクタールの敷地に70種類以上の動物が飼育されている。トナカイやヤマネコ、バイソンなど、なかなか見ることができない動物と近くで触れ合えるのはうれしい。「餌やり許可」と表示のある動物には柵の間から餌をやれる。小さな子どもが巨大なトナカイの口に餌を運んで楽しむ様子を見ると少しハラハラするくらいだ。
 週末には飼育員による餌付けも見学でき、ヤマネコの餌付けショーは大人気。頭上に張られたワイヤから運ばれる餌を追って高くジャンプするヤマネコの姿は迫力満点だ。ただ、餌が「ひよこ」だと分かった時はかなりの衝撃だった。
 希望すれば、子どもたちは直接、手でひよこをヤマネコの頭上に投げ入れることもできる。かなり残酷に思えるが、ドイツ人の親は何の抵抗もなさそうだ。子どもたちに、自然の厳しさを肌で学ばせたいという思いなのだろうか。
 園内では遊技場やアスレチックも楽しめる。遊具は自然と融合するスタイルで設計されている。自然の木を滑り台の支柱として利用し、木と木の間をワイヤやつり橋でつないでアスレチックにするなど工夫している。自然と一体となって遊ぶ感覚は、住宅地にある公園では決して味わえない。
 こうした公園を入園料なしで運営するには、絶え間ない努力と工夫が必要であろう。フォルツハイム野生公園の場合、2006年に支援協会が設立され、主に地元企業からの寄付金や個人の会員費などで運営を続けているという。プロジェクトを起こした資金調達もある。自分の遺産や葬儀代の一部を公園に寄付する制度などは思考を凝らしていて面白い。
 営利目的や国任せではなく、地域の人々が協力して自然を守り、その豊かな環境を後世に受け継いでいる。その恩恵を受けられることに感謝している。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

ヤギに餌をやる子ども。迫力満点で大はしゃぎだ

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