リポーター発

オーストリア

オーストリア・しっかり休息 働く力に

2015/5/27

 オーストリアの朝はとても早い。わが家が暮らす町では、市役所が午前7時半に開庁し、スーパーやカフェはもっと早く、7時から営業を始める。さらにパン屋さんは5時半に開店し、焼きたてのパンが朝の食卓に上ることもある。
 ただ、始まりが早ければ、終わりも早い。平日だと午後7時半に閉店し、土曜日はさらに早まって6時だ。そして日曜日、レストランやカフェ、ガソリンスタンドなどの一部を除けば、お店はほぼ休業状態となる。コンビニはない。うっかり牛乳を買い忘れたとしても、お隣に借りるか、我慢するしかない。
 確かに、最初は不便を感じることもあった。だが、そこは「郷に入っては郷に従え」である。不思議と慣れてくるもので、今では時間に対して計画的になれるし、何より働いている人にも休息が必要で、それを当然とする文化を尊重できるようになった。
 また、仕事と休息をはっきり分けていると感じることも多々ある。例えば、夫の職場はフレックスタイム制で出勤時間は自由だが、午前7時ごろには会社が始まる。昼休みは30分程度と短いため、残業さえしなければ午後3、4時ごろには帰宅できる。
 後はパブでビールを片手に友人とのんびり語らったり、友人家族とバーベキューを楽しんだりする。家族でサイクリングに出掛ける人もいて、過ごし方は実にさまざまだ。短時間の労働でいかに効率よく働き、勤務後の時間をどうやって有意義に過ごすか。こんなめりはりのある生活に全力を注いでいるように見える。
 「In der Ruhe liegt die Kraft」という言葉を教わったことがある。直訳すると「休息の中に力がある」。心身ともに休んでリフレッシュすれば、より創造的になり、より自分の力を発揮できる、という意味だ。
 この言葉に沿うのか、休息には騒音禁止のルールもある。平日と土曜は、午後8時から翌朝の午前7時までと昼間が正午から2時間、日曜は終日、騒音を出してはいけない。芝刈り機を使うことも、大掛かりな日曜大工もこの時間帯はできない。勤勉でありつつ、あまりあくせくしていない雰囲気は、このうまく休息するすべのたまものかもしれない。(プーセンプ麻衣=リーボッホ在住)


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