リポーター発

オーストリア

オーストリア・環境や補助 安心子育て

2015/7/10

 オーストリアは子育てをしやすいところかどうか―。よく聞かれる質問だが、この国で2度出産し、現在、子育てをしている自身の経験から言えば、私は「非常に子育てがしやすい国である」と断言できる。
 理由はさまざまあるが、その中の一つが経済的な補助である。「e−card」といわれるカード型の健康保険証があれば、ほとんどの基本的な医療行為は無料で受けられる。実際、私の場合も総合病院での出産や妊娠後の定期検診で費用の負担はなかった。
 また、定期的に子育ての手引が載った冊子が無料で自宅に届く。子どもの発達の目安を確認できるし、子育てのヒントなども得られる。さらに出産後の一時金支給が手厚いのが特徴だ。それも大型ベビーカーや家具など、子育てに必要な一式をそろえるのに十分な額だ。
 幼稚園の費用についても、毎月いったんは支払うけれども、年末調整のような形で、その多くが還付されるので実質的な負担は少ない。小学校から大学まで、公立なら基本的な学費は不要。最長で24歳までという年齢制限が付くものの、子ども手当も支給される。子どもを産み育てる親、そして、未来を背負う子どもの教育へかける国の補助は何重にも手厚いと感じる。
 ご存じの方もいると思うが、オーストリアの消費税は、一部例外もあるが基本的に20%と他国に比べて確かに高い。所得税も驚く額である。けれども、徴収された税金が本当に必要とされているところに分配されている実感が国民には浸透しているのではないか。
 経済面以外では、父親のワークライフバランスや、自由に散策できる森やトレッキングロードなどが整備され、子どもと一緒に楽しめる自然が多いという環境も、私にとって子育てのしやすさを感じる理由の一つだろう。
 6月、娘2人が通う幼稚園のクラスメートの母親が出産した。私の友人でもあり、4人目にして念願の男の子だったと喜んでいた。彼女によると、今後、三女の幼稚園の送迎は、3カ月間、父親が育児休暇を取って代行するそうだ。ちなみに幼稚園のクラスメートで、一人っ子はだれもいない。子育てのしやすさは、こうしたきょうだいの数にも見てとれそうだ。(プーセンプ麻衣=リーボッホ在住)


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