リポーター発

イギリス

英国・復活の鉄路でビールの旅

2015/9/14

 ロンドン中心部から電車で1時間ほど南に下ったオルトンという駅から、古い鉄道路線と機関車を復活させた保存鉄道が走っている。子供向けキャラクターとのコラボレーション企画や、本格的な食事をいただきながら車窓を楽しむなど、さまざまな企画があり、人気を集めている。
 車内で地元の醸造所のエールビールを飲むことができる「リアルエールトレイン」に乗った。友人夫婦やそのご兄弟たち総勢7人で大きな個室を確保していざ列車の旅に。同様の電車は他の路線でもいくつかあるようなのできっと人気企画なのだろう。
 日本で主流なのは黄色で軽いラガービールだが、エールビールは酵母の種類が異なる。赤褐色をしており、薄いものから濃いものまで種類もさまざま。香りが強くフルーティー、そして、ラガービールと違って冷やさずに飲む。苦手だという友人もいるが、香り、味ともに実に幅が広く、自分のお気に入りを見つける楽しさがあると思う。
 電車に乗り込み、ビールを提供する車両に行くと、巨大なたるが所狭しと並んでいた。パイントグラス(0・568リットル)の値段は2ポンド(約360円)。通常パブでは4、5ポンドぐらいなので、それを考えるととても安い。
 電車内でオリジナルのジョッキを買って、それに入れてもらうこともできる。駅で電車を待っている間、前回買ったであろうジョッキを持って待ち構えている人も何人か見掛けた。週によって、提供元の醸造会社が異なるので、リピーターが多いのかもしれない。
 電車内はみんなほろ酔い加減で実に陽気だ。プラスチックの空き容器を天井に届きそうな高さまで誇らしげに積み上げているグループもいた。私たちは個室にいたけれど、目の前の通路が狭いためか、擦れ違うたびに室内に人が入ってきた。それでも、どの種類がおいしい、何杯飲んだ、などと即席のビール談議が弾んで楽しかった。
 ちょうど天気も良かったので、イングランド郊外の緑と夕日を眺めながら、心ゆくまでエールビールを飲み比べることができた。古い鉄道の雰囲気、地元のビール、景色を楽しめる一石三鳥のイベントであった。(浜家尚美=ロンドン在住)


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