リポーター発

ドイツ

ドイツ・ビール祭は民族衣装が華

2015/10/30

 ドイツ人が一年で最も熱く盛り上がるイベントといえば、ビールの祭典「オクトーバーフェスト」であろう。毎年9月から10月にかけて、各地で開かれる大小さまざまな規模のビール祭りがそれである。
 私が暮らす南部の都市シュツットガルトでも、9月25日から10月11日までの17日間、「カンシュタッター・フォルクスフェスト」と呼ばれるビール祭りが盛大に催された。約35ヘクタールもある広大な敷地内に巨大ビアホールがいくつも並んだ。
 屋台だけでなく、観覧車やジェットコースターなどのアトラクションも登場。ビアホール内は、ビールジョッキを片手に食事や踊りを楽しむ人たちであふれかえっている。
 1リットルの巨大ジョッキを1人で何杯も飲んでしまう酒豪も決して珍しくない。あちらこちらから聞こえる「プロースト(乾杯)」という掛け声が実に力強い。バンドの生演奏に合わせて、いすやテーブルの上で踊りだす人もいる。
 そんな雰囲気をさらに盛り上げてくれるのが、全身を色鮮やかな民族衣装で着飾った来場者たちの姿。男性は肩ひも付きの革製ズボン「レーダーホーゼ」に赤や青のチェックのシャツを合わせる。女性は胸元が大きく開いたブラウスに袖なしの胴着、エプロン付きのスカートがセットの「ディアンドル」を着用する。
 実はここ数年、若者の間で現代風にアレンジした民族衣装の人気が急上昇している。ビール祭りの時季が近づくと、デパートのショーウインドーにオシャレな民族衣装が飾られているのを見ることが実に多くなった。若者向けカジュアルファッションブランドがお手頃価格で販売を始めたのもブームに火を付けた。
 特にディアンドルの種類の多さには驚かされる。もともとはアルプス山脈の農家の女性が着ていた衣装であり、スカート丈は長く、無地でシンプルなデザインだった。今風のディアンドルはミニスカートが主流。チェックや花柄の胴着にカラフルなエプロンを組み合わせるスタイルが多い。ピンクと水色、緑とゴールドなど、派手な配色のコーディネートも目立つ。ネックレスや帽子、バッグなどの小物も花を添える。
 飲んで歌って踊るだけでも十分に楽しいイベントだが、会場を行き交う人を眺めているだけで、まるで民族衣装のファッションショーを見ているような気分に浸れた。今までとはまた違った楽しみ方を発見できたのがうれしい。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

現代風にアレンジされた民族衣装を着て祭りの会場を歩く男女

現代風にアレンジされた民族衣装を着て祭りの会場を歩く男女

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