リポーター発

トルコ

トルコ・厳選食材でパイ状菓子

2015/11/16

 「トルコの有名なお菓子は何か」と聞かれると、バクラワと答える人がほとんどだろう。バクラワは具をパイ状に包んだお菓子。オスマン帝国時代に、現在のトルコのほか、アラブ地方、ギリシャ、バルカン半島まで広く伝わった菓子として知られる。
 トルコにおいて、バラクワのふるさとと呼べる場所が南東部のガズィアンテプにある。トルコではクルミやヘーゼルナッツ入りが普通だが、ここガズィアンテプは、ピスタチオの名産地ということもあり、それを具材にしたものが10種類超もある。
 「イマム・チャーダシュ」というお店を訪れ、バクラワ作りを見学した。3階に製造所があり、50人以上の職人が各工程の持ち場に分かれて働いていた。綿棒で生地を薄く広げる工程には、30人ほどの若手職人が作業台を挟んで両サイドに並ぶ。職人の体温と汗が充満するためか、まさにサウナ状態。定期的にシャツを着替えるほどだ。
 生地に、小麦のスターチを満遍なく振り掛けながら、一枚一枚がくっつかないようにする。しっとりした柔らかさと、裏側が透けて見えるほどの薄さに仕上がると完成。それを繰り返していく。
 出来上がった生地はトレーに10層以上重ねる。砕いたピスタチオを一面に敷き詰めて、その上に再び同程度の生地を重ねていく。1枚載せるたびに、溶かしバターを振り掛けて層を形成するのは、焼く際にパイ層に空気を入れ、サクサクした食感を出すためという。
 パリパリと焼き上がり、そこへ熱々のシロップを流し込む。しっとりとした生地だが、かむとサクサク。ピスタチオの香りが鼻を抜ける。食材の厳選と職人の技で他地域のものより、はるかにレベルが高いバクラワを作っていることに感動した。同じ食材を使っても、似て非なるものがいくらでも存在するからだ。
 ここのバクラワを食べてしまうと、味覚に記憶されるのか、無性に食べたくなるのはそのためかもしれない。中東のお菓子の王として、これからも君臨し続けるのは間違いないだろう。(岡崎伸也=コンヤ在住)


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