リポーター発

フランス

フランス・テロに屈しない行動力

2015/12/1

  「家族や知り合いは大丈夫ですか」「何かに巻き込まれていませんか」。この2週間、日本にいる家族や友達、知り合いから本当にたくさんのメールをもらった。今月13日、フランスでパリ同時多発テロが発生し、みんなが心配してくれた。幸いというべきか、私が住むオルレアン市は、パリから南へ約100キロにあり、今のところ、何事もなく過ごしている。
 そうは言っても、今後どうなるのかは分からないので、気を引き締めて生活しなければいけない。ただパリから離れてはいても、緊迫感は伝わっている。長女が通っている幼稚園は、テロ発生後、10日ほど課外授業が中止になった。登下校時に幼稚園の門が開く時間もますます厳格に。開く範囲も1人ずつしか通れないよう厳重体制だ。
 スーパーやデパートなどでは、入り口で荷物チェックが義務付けられている。係員が1人ずつ確認作業をする。今の季節だと、みんなコートを着ているので、コートを脱いで見せるように言われる。体に爆弾を巻き付ける自爆テロに備えてのことだろう。街中には、ライフルを抱えた警官が目を光らせて歩いている。
 日本では、フランスへの観光旅行が相次いでキャンセルになり、旅行業への影響が出ているそうだが、私の友人も泣く泣くそうした。お互いに再会の日を楽しみにしていたが、安全を考えて決断したそうだ。私も当分はパリには出掛けまいと思っている。
 パリに住んでいる友達も何人かいる。テロ発生後、さぞかし、怖い思いをしているだろうと連絡を取ってみた。日本人の友達たちは「必要以上に家を出ないようにしている」と一様に言う。しかし、フランス人は違う。「ここでテロに屈しないことが大切だ」「普段通りの生活こそ一番大事だ」と、結構外出している人も多い。
 テロがあった翌日の14日の土曜日、買い物でオルレアン市の中心部に出掛けた。広場には大勢の人たちの姿があった。彼らは思い思いに犠牲者を追悼し、テロに負けない連帯を誓っていた。1月初めに起こった風刺専門週刊紙「シャルリエブド」襲撃事件の後は、オルレアンを含め、各地でデモ行進があった。ただ今回は、デモ自体がテロの標的になるということで禁止されている。それでも多くの人が集まってくる。こういう時のフランス人の行動力は本当にすごいと思う。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)


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