リポーター発

トルコ

トルコ・熱々のチャイ囲み交流

2016/2/4

 トルコの暮らしの中で欠かせないものに、国民的な飲み物「チャイ」がある。インドのミルクティーと勘違いされがちだが、チャイ=お茶という意味である。トルコでは、完全発酵したいわゆる紅茶が好まれる。お茶の生産では世界の上位5指に入り、1人当たりの消費量では世界一だ。
 チャイ・バルダウ(チャイを入れる小さなグラス)で1日に何杯も飲む。家やオフィス、喫茶店に食堂と、チャイがない場所はありえないほど国民の生活に浸透している。しかし意外にもその歴史は浅い。中国からロシアを経由し、19世紀に伝わった。オスマン帝国が隆盛を極めた16世紀に定着したトルココーヒーと比べると差は歴然だ。
 さて、入れ方を紹介しよう。チャイダンルックと呼ばれる2段式ポットを用意。下段のポットで湯を沸かし、上段のポットには茶葉を入れる。下段のポットの湯が沸騰すると熱湯を上段のポットに注いで茶葉を蒸す。グラスに半分程度注いだ上段の濃いチャイに湯を好みの濃さになるよう入れていただく。
 チャイは熱い時にさっと飲むのが鉄則である。ぬるくなるとチャイは飲むものではないとみんなは考える。そのため、冷めてくると、すぐに熱々のチャイに入れ替えてくれるほどだ。熱々のチャイを囲むと、すぐに交流が始まる。初対面でも親しくなれ、距離が一気に近くなっていくのを実感する。
 またトルコではロシアから伝わったセマーベルと呼ばれる給茶機もある。大小の大きさがあり、トルコ人が大好きなピクニックやバーベキューのときに携帯できるので大人気だ。こうしたイベントでも、チャイは絶対に欠かせない飲み物なのである。
 おもてなし好きなトルコ人は、どこへ行っても「まあお茶でもどうぞ」と誘ってくれる。何杯もお茶を飲むこととなり、胃がちゃぷちゃぷとなるのも日常茶飯事だ。だが、この小さなグラス一杯の付き合いが日常生活の中では人間関係の潤滑油となっているように思える。自国で栽培が始まって安価になったとはいえ、短期間で国民の間に広まり、生活と切り離せない飲み物となったのも納得がいく。(岡崎伸也=コンヤ在住)

セマーベルでお茶を入れる青年。おもてなしの一杯で会話も弾む

セマーベルでお茶を入れる青年。おもてなしの一杯で会話も弾む

この記事に対するコメント
一覧

  • コメントはありません

  • この記事にコメントするへ
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧