リポーター発

アメリカ

米国・ハワイ火山 空を彩る炎

2016/4/18

 ハワイと聞いたら皆さんは何を思い浮かべるだろうか。多くの人が澄み渡る海やビーチ、ショッピングなどを挙げるだろう。しかし、それらはホノルルがあるオアフ島の一面にすぎない。私が留学中のハワイ大ヒロ校があるのはハワイ諸島でも、一番南にあるハワイ島である。
 ハワイ島は、諸島で一番大きな島だ。「Big Island」の愛称で親しまれ、地元の店名にも「Big〜」が多く使われている。
 ハワイ島は、熱く溶けた岩石(マントル)の噴き出し口「ホットスポット」の上にあり、活発な火山活動を見せる。島内には標高4千メートル級二つの山、マウナ・ケアとマウナ・ロアをはじめ、フアラライ、コハラ、キラウエアの計五つの活火山がある。先日、4年ぶりにキラウエアを訪れた。
 噴火の多くはとても穏やかである。世界一安全な火山と言われるゆえんだ。一帯はハワイ火山国立公園であり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも登録されている。諸島有数の観光名所であり、火口には火の女神ペレがすんでいると伝わる。
 授業が終わってから大学を出たので、現地に着いたのは日没後だった。ハワイ大からキラウエアまでは、ほぼ一直線の道だが、道中にはほとんど街灯がない。マウナ・ケア山頂にある天文台の観測の邪魔にならないようにするためだとか。
 キラウエアに近づくにつれ、空が赤くなる。火口から出る炎が雲に反射し、赤く見えるらしい。思ったよりも周囲が明るいことに驚く。前回の訪問は昼間だったので、こんなに明るいとは思いもよらなかった。
 車を降り、お薦めのスポットまで行くと、さらに空が明るくなった。神々しく燃えるキラウエアの火口が目に飛び込んでくる。この日は月の出が遅く、たくさんの星と火口から燃え上がる炎のショーが見られるとあり、多くの人でにぎわった。
 その後、友達とナイトハイクとしゃれ込んだ。周辺にはいくつかのトレイルがあり、歩いてその大自然に触れることができる。夜道でも進みやすいようオレンジ色のライトが点灯するコースもある。
 一緒にいたハワイ生まれの友達が教えてくれたのが「女神ペレの髪・ペレの涙」に関する話。確かに、足元を見ながら行くと金色の髪の毛のようなものをいくつか発見した。溶岩がガラスのように変質し、触ってみると細く髪の毛の感触に近い。米粒大のものを涙と呼ぶそうだ。
 国立公園にあるものは全て現状保存するのが規則だが、ハワイの人々は以前から、咲き誇る花や、溶岩のかけらを持ち帰ることはしなかった。全てがペレのものと信じているからだそうだ。雄大な大自然だけでなく、人々を魅了する神話も多く、本当に興味が尽きないハワイである。(中島敬=ヒロ在住)

夜空に反射する炎と星が織りなす自然のショーは見る者を飽きさせない

夜空に反射する炎と星が織りなす自然のショーは見る者を飽きさせない

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