リポーター発

フォトリポート

廿日市市・チョウが紡ぐ母の思い出

2016/8/15

 子どもたちが小学生のころ、夏休みの自由研究でキアゲハの幼虫の羽化を親子で観察したことがある。あれから30数年。この夏、当時を懐かしく思い起こしながら再び、キアゲハを飼育した。飼育箱にパセリ、ニンジンの葉っぱを入れてやると、幼虫は旺盛な食欲であっという間にさなぎになった。羽化が始まった14日はくしくもお盆の日。優しくて心配性だった母がチョウの姿を借りて、私に会いに来てくれたのではないかと思った。「元気で幸せに暮らしている?」と、優しく問い掛けているように見え、母のありし日の思い出が走馬燈のように浮かんでは消えた。羽は乾いたのに、夕方になっても飛ぼうとしない。まるで別れを惜しんでいるかのよう。そっと飼育箱に移して、草むらに戻した。「来年も会いに来てね、きっとよ」。心の中でそっと願った。(西谷正子)


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