リポーター発

アメリカ

米国・出産前にお祝い女子会

2016/8/17
チーム対抗のおむつ替えゲームは母親経験者が優勢だ

チーム対抗のおむつ替えゲームは母親経験者が優勢だ

 ミシガン州ロチェスターの公共図書館で英会話教室が開かれている。週1回90分の授業は無料。参加者の顔ぶれは実にさまざまで、欧州はドイツ、フランス、スペイン。アジアは中国、韓国。南米がメキシコ、ペルー、ブラジル。中東からエジプト、イランといった具合である。そして参加者の大半の家族が自動車産業に従事している。
 ここミシガン州は、言わずと知れた自動車産業の街。ビッグスリーと呼ばれるフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)、FCA US(旧クライスラー)やサプライヤーが本社や工場を構える。私が通う平日午前中のクラスには、そうした赴任家族のお母さんが実に多い。
 先日、大きなおなかを抱えたクラスメートの一人が臨月を迎えた。みんなでお祝いをしようと相談し、「ベビーシャワーパーティー」を開くことになった。これは妊婦の出産前に行う米国の伝統的なパーティー様式のお祝いだ。
 出産体験談や産後のケアの情報交換もするので、基本的には女性限定である。私は昨年、この種のパーティーに一度参加したことがあったので、今回は幹事役の一人として企画を担当することになった。
 ベビーシャワーといえば「おむつケーキ」が欠かせない。おむつを一つ一つ丁寧に丸めていき、ケーキの形に仕上げていくのである。彼女は双子を出産予定ということなので新生児用のおむつ150個を用意した。クラスの有志と和気あいあいと作業するのが実に楽しい。さらにリボンや手作りの人形で飾り付けて約1時間。まるでウエディングケーキのような3段の豪華おむつケーキが完成した。
 そしてパーティー当日。参加者が一品を持ち寄るランチの後、一息ついたところでゲームが始まった。用意した種目は、目隠しで人形のおむつ交換をするチーム対抗戦、妊婦の腹囲を推測するゲーム、ベビーフード早食い競争など。
 そして恒例の出し物が「ビックリおむつゲーム」である。これは電子レンジで少し溶かした各種のチョコレートバーを、広げたおむつに塗り付け、それを観察してどのチョコレートバーを付けたかを当てるもの。日々のおむつの状態から子どもの体調を見極めるのは母親の重要な役割の一つ。こんなゲームがあるのは実に米国らしい。
 場がすっかり和んだところで、最後に1人ずつお祝いの言葉を贈り、3時間のうたげは終わった。母親経験の有無を問わず、笑いや涙ありの楽しいひとときだった。文化が違っても、言葉の壁があっても、何か素晴らしいことを共有したいという意思さえあれば、それは可能なのだとつくづく思った。世界各国の人と出会えるサラダボウル=米国をもっと楽しみたい。心からそう思う。(プーセンプ麻衣=ロチェスター在住)

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