リポーター発

フランス

フランス・子どもの語学教育 十人十色

2016/9/14
新学期が始まり、校門の前に張られたクラス分けの紙を見る親たち

新学期が始まり、校門の前に張られたクラス分けの紙を見る親たち

 9月になり、フランスでも新学期が始まった。新学年だが日本のような入学式や始業式はない。初日に長女を幼稚園まで連れていくと、校門の前にクラス分けの紙が張ってあった。早速、新しい教室で朝から夕方までのお預かりである。
 この夏、私たち家族は2カ月近いバカンスを日本で過ごした。そのおかげだろうか、長女は日本語がとても上手になり、逆にフランス語は少々下手になってしまった。
 私が話すフランス語は、日本語なまりの変なアクセントが抜けきらない。フランス生まれでネーティブの長女は、これまでとてもおしゃべりで、流ちょうなフランス語だったのに、言いたいことが言えないと黙ってしまうようになった。
 幼稚園の先生にかくかくしかじかと事情を話すと「大丈夫よ。数週間もしたらすぐに戻るから」と頼もしい返事をもらった。長女のクラスにはギリシャや中国、フィリピンなどの子どもがおり、実に国際色が豊か。先生もそうした子どもたちの扱いには慣れており、夏休みにそれぞれの国に帰ってフランス語を忘れることはよくあるそうだ。
 ちなみにフランス人と日本人を両親に持つ子どもは周囲にわりと多いが、みんなが日本語とフランス語を話せるかというとそうでもない。子どもの育て方によるのであろうが、日本語では大まかに3パターンがあるようだ。
 「フランスに住んでいるのだから遠い国の言葉である日本語は必要ない」と最初から一切日本語で話し掛けない人。「フランスの勉強についていけないと困るので、日本語は軽く分かる程度でよい」と少しだけ日本語を教える人。最後に「絶対に日本語を話せるようになってもらいたい」と日本語で話し掛ける人。まさに十人十色なのだ。
 ちなみに私は最後のパターン。長女がフランス語で話し掛けてきても「フランス語は分からないよ」と徹底して日本語で答えてきた。そうした努力の成果か、現在4歳になった長女の日本語は日本人と変わらないくらい上手い。
 しかし、どんなにうまくバイリンガル教育が進んでいても、小学校に入ったり、思春期を迎えたりすると、子どもが日本語を拒否することがあるそうだ。日本語を話すのが恥ずかしいと、子どもに日本語で話してもフランス語で返してくるという話もよく聞く。「バイリンガル教育は1日にしてならず」。こつこつと続けるしかないのだ。
 また、フランス人と日本人を両親に持つ子どもで、日本語は話せても、日本人と同じように漢字の読み書きができるのは1割もいないそうだ。自分の子どもの将来は全く想像もつかないが、嫌がらない程度に日本語を教えていきたいと思う。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

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