リポーター発

アメリカ

米国・ハワイでの留学終え 優しさに感謝

2016/9/28
地平線にかかるハワイの虹。日本では見たことがない自然のショーだ 

地平線にかかるハワイの虹。日本では見たことがない自然のショーだ 

 5月まで1年間留学していたハワイ大ヒロ校。ハワイでの日々を振り返ると、平日は授業とクラブ活動に追われ、休日は海や山の自然に触れ、英気を養う日々だった。何もかもが忘れ得ぬ思い出だ。
 帰国を目前にした5月初旬。米国の大学では、長い夏休みに入る前に日本でいう期末試験がある。成績に大きなウエートを占めるため、遊ぶ暇などない。試験期間を終えるとすぐに退寮日、帰国する日となるのでお世話になった人たちへのあいさつもままならない。
 そんな私の気持ちを察してくれたのか、友人が気を利かせて私の誕生月である4月に2回もパーティーを開いてくれた。おかげで会って話がしたい人をたくさん招待することができた。いろいろな思い出話に花が咲いた。
 体調を崩した時には、多くの人が見舞いに駆け付けてくれた。みんなとハワイの名所に出掛け、大自然に包まれる忘れ得ぬ体験もした。留学中に多くの仲間に支えられていたことが改めて分かり、感謝の気持ちでいっぱいになった。笑顔でハグを交わし、楽しい会を終えた。
 来るときは、スーツケース2個だった荷物も、帰国前には4個に増えていた。それでも収まりきらず、荷物と最後まで格闘した。そして、退寮日を迎えた。1年間暮らした部屋を見渡す。心地よい風が通る場所にあるソファで何度うたたねしただろうか。
 スーツケースを運び出し、タクシー乗り場へ向かう。しかし、予約した車がいない。ハワイではタクシーが時間通りに来ないことは、日常茶飯事なのだが、飛行機の時間もあるので何度も念を押していた。
 5分待っても来ない。タクシー会社に連絡してもつながらず、時間だけが過ぎていく。他のタクシーを呼んでも飛行機に間に合わないかも。そんな自分の気持ちを表すように雨が降り始めた。途方に暮れていると、寮から出て来た女性が「どうしたの。困っているようだけど」と話し掛けてきた。
 続いて彼女の両親が来た。事情を話すと「アハハ、ハワイらしいね。大丈夫、車で今から送ってあげよう」と言ってくれた。彼女も退寮するので、車には既に家電や衣類ケースが入っている。雨模様の中、それらを次々と車から降ろし、私のためにスペースをつくってくれた。
 目から涙があふれ、言葉に詰まった。ハワイには本当に優しい人がたくさんいる。空港までの道中、ハワイ生活の話で盛り上がった。おかげで何とか飛行機の出発時間に間に合った。別れ際にみんなに感謝のハグをすると「またいつでも戻っておいで」と言ってくれた。雨はまだ降っていたが、私の心の中にはハワイでいつか見たきれいな虹が大きなアーチを描いていた。(中島敬)

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