リポーター発

ドイツ

ドイツ・旬のケーキ 日常の一部

2016/11/24
パン屋のショーケースにずらりと並ぶケーキ。見ているだけでおなかいっぱいになる

パン屋のショーケースにずらりと並ぶケーキ。見ているだけでおなかいっぱいになる

 ドイツ人がビールやソーセージ好きなのは有名だが、実は大のケーキ好きでもあるのを知っている人は少ないであろう。カフェなどで、子どもや女性だけでなく、中高年男性がおいしそうにケーキを頰張る姿は日本では珍しいかもしれない。だがドイツでは日常よく見られるシーンなのだ。
 実際、朝のパンを買うついでに、午後のティータイム用のケーキを買う男性の姿をよく見る。ドイツ人にとって、ケーキを食べながら過ごす時間は、まさに至福のひとときなのである。
 味はというと、繊細で濃厚な味のフランス菓子と異なり、素朴で甘さ控えめなのが特徴だ。旬の季節の果物が持つ自然の甘味をうまく生かしており、バターやクリームの量も少なめに抑えてある。見た目も非常にシンプルで、派手なデコレーションもない。
 まるで家庭で焼いたかのように手作り感たっぷりなのである。華やかさこそないが、大きさは日本の通常サイズのケーキの2倍近くはあろうかという超ビッグサイズ。どっしりとしていて、大人でもかなりの食べ応えなのである。
 パン屋やコンディトライと呼ばれるカフェを併設したケーキ専門店には、ショーケースに何種類ものケーキがずらりと並び、どれにしようか迷うほど。みんなが大好きなアップルケーキやチーズケーキ、ケシの実のケーキだけでなく、洋ナシやアンズ、ラズベリー、プラムなど季節の果物をふんだんに使ったヘルシーなフルーツケーキが目立つ。
 実は甘くないケーキもある。秋限定の味覚として有名なのが、ツヴィーベルクーヘン(タマネギケーキ)だ。砂糖は使わず、タマネギとベーコンを炒めたものをパン生地に載せて焼いてあり、キッシュに似ている。秋のこの時季、市場に出回るフェダーヴァイサーと呼ばれる甘い新ワインと一緒に食べる人が多いが、ケーキの塩気とワインの甘味が絶妙な相性だそう。
 これからクリスマスにかけては、シュトレンと呼ばれるレーズンなどのドライフルーツやナッツを生地に混ぜた甘い菓子パンも登場するから楽しみだ。素朴だが、マイルドで優しく、旬の素材をたっぷり使ったドイツのケーキ。ティータイムのお供だけでなく、ドイツ人の日常生活の一部になっていると言ってもよいだろう。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

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