リポーター発

イギリス

英国・Xマス 家族でゆったり

2016/12/12
大勢でにぎわうクリスマス・マーケット

大勢でにぎわうクリスマス・マーケット

 クリスマスの季節がやってきた。欧州は基本的にキリスト教国家である。イタリアをはじめとするカトリック、ドイツなどのプロテスタント、そして、ギリシャとロシアはそれぞれの国教会という具合だ。私が暮らす英国は、英国国教会である。
 宗派は違えどクリスマスを祝うのはどの国も同じ。英国では11月に入るとクリスマス商戦が始まり、12月になると一気に本格化する。クリスマスのイルミネーションが街を彩り始めると、街角では生のモミの木が売られる。手頃なサイズを求め、時には2人がかりで、モミの木を持ち帰る風景は英国ですっかりおなじみだ。
 屋台が連なる街角のクリスマス・マーケットも、飾りなどを買い求める人で連日大いににぎわう。ここで人気なのがモルドワイン。赤ワインにオレンジの皮やシナモン、ナツメグなどを入れて温めた一品である。日本の甘酒のようなイメージだろうか。これを飲むのがクリスマスの風物詩であり、飲みながら散策するのがみんな実に楽しそうだ。
 ロンドン中心部のトラファルガー広場は、巨大なツリーが飾られることで有名だが、これは毎年ノルウェーから送られてくる。第2次世界大戦で英国が援軍したお礼にと、送られたのが始まりという。
 ツリーは来年1月6日まで飾られるが、これを過ぎると不運を呼ぶとされており、どの家庭でもそれまでに片付けるのが習わし。その後、街の中にあるごみの集積場は山のように捨てられたツリーでいっぱいとなる。これも英国の風景である。
 街はクリスマスまでは実に華やかだが、25日のクリスマス当日は本当に静かになる。交通機関はすべて運休するし、店もほとんどが閉まる。お店が開いていない風景は、日本の昔のお正月をイメージしてもらうと分かりやすいだろう。
 では、クリスマスをみんなはどう過ごすのか。各地に散らばった家族が実家などに集まり、朝から食べて飲んでお祝いをする。そして、午後3時に始まるエリザベス女王のスピーチを聞いてゆったりと過ごすのである。プレゼントはツリーの下に置いて、クリスマス翌日の26日(ボクシングデー)にみんなで開けて楽しむ。
 数年前までは26日も25日と同様、街は静かだったが、ここ最近は交通網が日曜ダイヤで運行するようになった。デパートが冬のセールを始める初日でもあり、ハロッズなどの有名デパート前には朝から長い行列ができる。クリスマスの風景も少しずつ変わりつつあるようだ。(渋谷英秋=ロンドン在住)

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