リポーター発

アメリカ

米国・朝食シリアル 不安面も

2017/6/13
パッケージで遺伝子組み換えでないことをPRするシリアル商品。消費者にとって大事な指標だ

パッケージで遺伝子組み換えでないことをPRするシリアル商品。消費者にとって大事な指標だ

 米国の朝ごはんの代表格シリアル。その開発がここミシガン州で始まったことをご存じだろうか。生みの親は、州南部の町バトルクリークの療養所の医師だったケロッグ博士である。
 健康回復に向け、菜食や運動を指導していた博士が病人食を作っていた際、誤ってパン生地を乾燥させてしまった。これが意外にも患者の間で好評だったことから兄弟で研究開発に着手。こうして誕生したコーンフレークは手軽な健康食品として、米国はもとより世界で爆発的に普及した。20世紀初頭のことだった。
 シリアルは米国で主要な食料品の一つだ。近所の中規模スーパーでは、実に100種類以上をそろえ、30メートルはある陳列棚の一面を占拠する。「10種類以上のビタミン、ミネラル入り」「低脂肪、低糖分」などで健康志向をうたうもの、赤や青などの原色でお菓子のようなもの、人気キャラクターのパッケージで子どもが喜ぶものなど多種多様だ。牛乳をかけるだけの手軽さと穀物やビタミン、ミネラルなどの栄養価の高さが万人受けの理由だろう。
 一方で不安要素もある。第一は、糖分の高さだ。あるブランドのシリアルは、1食の目安量20グラム当たり10グラムの砂糖が含まれる。20グラムは茶わん半分にも満たない量なので、それ以上食べると、1日当たりの理想的な砂糖摂取量を朝ごはんだけで超える。トウモロコシが原料の高カロリー甘味料が入る商品も多いが、摂取量次第では代謝機能を壊すことが分かっている。
 第二は、遺伝子組み換え作物の使用だ。米国は世界トップのトウモロコシの収穫大国。1996年、遺伝子組み換え作物の商業的な生産が始まって以降、今では作付面積の9割以上で遺伝子組み換え品種が生産されている。疑問視されるのはその安全性。「自然界ではあり得ない遺伝子配列なので体内に入ると異質タンパク質とされ体が攻撃する」「アレルギーや不妊、成育不良、その他疾患を引き起こす可能性が高い」と警告する研究者もいる。
 この遺伝子組み換え食品に反対する消費者の声が大規模なデモに発展したこともある。遺伝子組み換え作物の使用表示は義務ではないが、使用反対に賛同する企業は、自社商品に特定の表示を付けることで消費者に安全性をPRする。
 元来健康食品であったはずが、今ではカロリー過多のジャンクフード、不自然な原料の避けるべき食品、と批判の的になっているシリアル。だが加工食品、嗜好(しこう)品など、同様の問題がある食品はいくらでもある。
 一消費者として、子を持つ親として、正確な知識を持ち、正しい食品を選ばなくてはいけない、そんな時代だと感じる。遺伝子組み換えトウモロコシの栽培大国である米国。そして世界最大級のトウモロコシ輸入国にして輸入量の大部分を米国に依存しているのは、日本である。(プーセンプ麻衣=ロチェスター在住)

この記事に対するコメント
一覧

  • コメントはありません

  • この記事にコメントするへ
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧