リポーター発

イギリス

英国・貴族階級 競馬場に厳然

2017/6/30
紳士淑女が集い華やいだ雰囲気のアスコット競馬場

紳士淑女が集い華やいだ雰囲気のアスコット競馬場

 競馬の起源はギリシャである。紀元前12世紀には裕福な層の人々が競馬に興じていたとの記録が残っている。現在、競馬の本場とされる英国だが、競馬が初めて行われたのは、古代ギリシャから2千年以上も時を経た12世紀のことである。
 専用のコースを設け、ルールの基で争う近代競馬は1540年、世界初の競馬場としてオープンしたチェスター競馬場で始まったといわれる。18世紀ごろになると、今では一般的なステークス方式という賞金制度が普及する。レース名に「ステークス」と付いているのをご存じの方も多いだろう。競走馬の品種改良が進んで、1970年代には「サラブレッド」と名付けられた品種が登場する。それ以降、優秀な競走馬作りに向けた生産・育成が本格化する。
 チェスター競馬場の建設から500年近く。近代競馬の発展を語る上で英国王室が果たした役割は大きい。王室が近代競馬に登場したのは1711年のこと。ロンドン郊外のウインザー城の側で乗馬を楽しんでいた当時の君主、アン王女が「East Cote」と呼ばれていた一帯を見て、馬を競わせるには絶好の場所だと思い、そこに競馬場を建設したのである。
 そして、この場所こそ、世界的に有名な競馬場、アスコット競馬場である。毎年6月に期間限定で開かれ、エリザベス女王も姿を見せる伝統の「ロイヤル・アスコット競技」は18世紀初頭に始まったといわれる。ことしも20日から5日間開催された。英国社交界から集まった紳士淑女が華麗なファッションを披露する一大イベントとしても有名だ。王室所有地内に築かれた競馬場で、いまだに残る英国の貴族階級を垣間見ることができる。
 王室が主催する「ロイヤル・アスコット競技」は良くも悪くも英国の伝統を強く感じさせる行事だ。それを象徴するのが、原則として一般人は入ることができない「ロイヤル・エンクロージャー」の存在である。ここでは細かいドレスコードが存在し、王侯貴族を頂点とする階級社会が英国社会に厳然と残っているのを改めて認識させられる。
 もっとも最近は「ロイヤル・エンクロージャー」の他に「クイーン・アン・エンクロージャー」「ビィレッジ・エンクロージャー」「ウインザー・エンクロージャー」といろいろな場所が設定されており、入場券を事前に購入すれば一般人でも入場ができる。ただ、厳しいドレスコードは今も存在する。
 私も一度は行ってみたいと思っているが、ドレスコードを見ると、入場にはタキシードと帽子が必要とある。予想以上の出費になりそうで、入場券の購入を迷っている。(渋谷英秋=ロンドン在住)

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