リポーター発

アメリカ

米国・ごみ事情 州で千差万別

2017/9/28
コンテナのごみを回収する大型トラック。作業は豪快そのものだ

コンテナのごみを回収する大型トラック。作業は豪快そのものだ

 わが家があるコンドミニアムでは約250世帯が暮らす。ごみ捨て場は6カ所あり、各所に大人が入れそうな大型のごみ箱が4個置いてある。資源ごみ(プラスチック、瓶、缶)用と紙専用の各2個である。
 その他ごみ用として、貨物輸送で使われるような金属製のコンテナ(一辺2メートル弱の立方体)が1台設置されている。生ごみはキッチンの排水口下に備え付けてあるディスポーザーという粉砕機にかけ、水道水で下水道に流す仕組みだ。
 ごみは24時間好きな時に出してよい。日本では当たり前のペットボトルのラベルをはがし、キャップを外すことや、段ボールをつぶし、新聞紙をひもで縛る作業は不要だ。ベッドのスプリングマットレスからいすまで、入りさえすれば何でも捨てることができる。
 週に1度の回収作業は豪快だ。コンテナの場合、巨大な収集トラックがやって来て、ロボットアームでひょいと持ち上げ、ごう音とともに中身を荷台に移す。それらは最終的にランドフィルと呼ばれる埋め立て地に運ばれる。回収後、このコンテナはあふれんばかりになる。推察するに、可燃、不燃ごみの分別作業が各家庭でおざなりになっているのではと思う。回収側も分別の確認作業はしないので悪循環が止まらない。
 学校教育でも分別の意識は希薄のようだ。例えば、小学校のカフェテリア。毎日、何百という紙皿とプラスチック製のフォークが食べ残しとともに大型のごみ箱に廃棄される。教室でも大量のプリント類とスナックのごみが一緒くたに捨てられる。処理や掃除は、雇われ業者がするので、みんなわれ関せずになるのだろう。
 根底には「みんな最終処理場に埋めるから分別の必要はない」「分別を徹底すると、収集車や作業員、設備が必要となり、コスト高で非効率的だ」「繰り返し使える食器を洗う手間や人件費を考えると安価な使い捨ての方がよい」との考え方がある。総じて合理性を重視し、広大な土地を持つ米国ならではだが、その土地とて無限ではない。
 スーパーには瓶や缶を回収する装置があり、デポジットとしていくらか返金される。実際に利用者は多いが、彼らの大半が買い物時、再利用できないレジ袋を何枚も使う場面を見ると、環境を考えるというより、金銭的なメリットを求めてのリサイクル活動という感じがする。
 以上はミシガン州での話。ところ変わればごみ事情も異なる。例えばカリフォルニア州は徹底した分別を目指している州の一つだ。スーパーの買い物袋の有料化、分別規定の周知徹底、民間業者が担う資源ごみの回収など、家庭レベルでのごみ排出量を減らす取り組みに積極的である。
 ミシガンのあるスキーリゾートは、道路工事に伴って廃棄された何トンものがれきの山からなる人工丘に造られたという。たかがごみ、されどごみである。(プーセンプ麻衣=ロチェスター在住)

この記事に対するコメント
一覧

  • コメントはありません

  • この記事にコメントするへ
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧