リポーター発

フランス

フランス・添い寝の友 人形に愛着

2017/11/6
愛着のあるドゥードゥーを片時も離さない幼児

愛着のあるドゥードゥーを片時も離さない幼児

 フランスのdoudou(ドゥードゥー)をご存じだろうか。赤ちゃんや幼児が抱きかかえる縫いぐるみである。マイクロファイバー製の四角い布に、ウサギやクマなど動物の頭部分をつけてある。人形劇用の縫いぐるみを想像いただければ分かりやすいかもしれない。
 たいていの赤ちゃんはみんな、お気に入りのドゥードゥーを持っている。寝るときも、お出掛けをするときも、そしてベビーカーや車の中でも一緒に移動する。分身のように抱きしめたり、時には口に入れたりするほど、肌身離さず持つのがドゥードゥーである。
 フランスでは3歳になる年から幼稚園に通う。教室には、もちろんドゥードゥーを入れるための箱が用意されている。毎日、幼稚園に持参し、また家に持って帰る子も多い。お昼寝の時間になると、もちろん一緒に仲良く寝ているそうだ。
 日本でも、お気に入りの縫いぐるみや人形を持つ子どもはいるだろう。だがフランス人のドゥードゥーへの思い入れは、日本人が思う以上である。幼稚園の年長から小学校低学年くらいの男の子でも、大事そうに持つ姿をたまに見掛ける。
 赤ちゃんの時から使っているのだろう。手あかで黒くなっており、愛着ぶりがよく分かる。その姿は、初めての宝物を大切にするようにも見えるし、初めての親友に対して愛を向けているように見える。
 フランスでは、赤ちゃんが生後数カ月になったら、自分の部屋で寝かされるようになる。日本では親が添い寝をして、その愛情を感じながら育つものだが、フランスでは親の代わりがドゥードゥーなのだ。ぬくもりを感じ、その匂いに安心するようだ。
 また、子どもの出産祝いに何がよいか悩んだら、ドゥードゥーにしておこうという考えが浸透しているようだ。私には子どもが2人いるが、生まれた時にそれぞれ5個プレゼントしてもらった。値段は幅があって、スーパーのような場所なら10ユーロ(約1300円)前後で買える。おしゃれな老舗だと、30ユーロ(約4千円)前後するのが一般的だ。
 私も日本にいる知り合いの出産祝いにと、何度かドゥードゥーをプレゼントしたことがある。かわいいものが多いからだろう、みんなとても喜んでくれた。世界的に見て、フランス人は家庭を非常に大切にするといわれる。その土壌の第一歩が、このドゥードゥーによって醸成されているのではないか。日本でもこれが広まるといいと思う。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

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