リポーター発

イタリア

イタリア・車の排ガス規制 罰金も

2017/12/11
ある朝のトリノ市内。環境問題に貢献したいなら車1台に3人以上乗るのが理想ではある 

ある朝のトリノ市内。環境問題に貢献したいなら車1台に3人以上乗るのが理想ではある 

 私が暮らすトリノは、イタリア第4の都市。経済活動の規模では第3位を誇る。自動車産業が最も盛んで、フェラーリやアルファロメオを傘下に持つフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の本社、主要工場がある。そんなトリノで近年、大きな問題となっているのが大気汚染だ。国内でも不名誉なワーストを争うひどい都市になってしまった。
 イタリアの地形は長靴形をしている。トリノはその履き口側、前太もも側にある。そしてその上をアルプス山脈がぐるりと囲んでいるので、風が吹いても、空気の循環が滞り、大気汚染がひどくなるらしい。
 特に今年の秋は汚染の度合いが深刻だった。9月から約2カ月間、雨が降らなかった。その上、トリノの北側で大規模な山火事が発生し、鎮火まで約2週間かかった。現場に近い山間部の市町村では、窓を開けないよう広報が出たほどだ。
 火事の灰は風に乗りトリノ市内にも降ってきた。街はかすみがかかったようになり、路上の車には指で文字がかけるほどの灰が積もった。外に出ると、埃(ほこり)のような臭いと空気で咳(せき)が出る始末だ。
 新聞では、山火事だけでなく、トリノの大気汚染の悪化も連日大きく報道された。中国・北京と同レベルとの記事も見た。トリノ市はこの大気汚染に対し、緊急対策として、市内への車の乗り入れを制限したが、幸いなことに2、3日で解除された。雨が降って空気が少しきれいになったためだが、雨がなければしばらく続いたはずである。
 昨今のトリノでは、自動車排ガス規制に適応しない車両の市内への乗り入れを規制する動きが進む。今年に入って大気の汚染レベルに応じて通行できる車を制限している。週末の市内への自動車の乗り入れ禁止などは実施済みだが、さらに厳しい対応となった。
 警戒レベルを3段階に分け、欧州連合(EU)が定めた自動車の排ガス規制基準に沿って、未達成の車の市内への乗り入れを規制するものだ。最も高い警戒レベルでは、全ての私用車の乗り入れが禁止となる。
 1台に3人以上乗っていればルールの適応外だが、守らない場合は罰金が科せられる。2008年以前の車だと、警戒レベルが最も低くても、規制対象になるので、車を買い替える所有者が多くなっている。
 私としては環境に優しいレンタル自転車がもっと普及すればよいと思うのだが、まずはこの大気汚染が少しでも解消されないと、自転車に乗る気にもなれない。(和田忍=トリノ在住)

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