リポーター発

ドイツ

ドイツ・クリスマス 屋台ずらり

2017/12/18
装飾された屋台がずらりと並ぶクリスマスマーケットの会場

装飾された屋台がずらりと並ぶクリスマスマーケットの会場

 灰色のどんより雲、毎日早まる日没、肌を突き刺すような冷気。ドイツにいよいよ本格的な冬がやって来た。誰もが憂鬱(ゆううつ)になりそうな寒空の下にあって、クリスマスマーケットの暖かいイルミネーションが、心温まる、幻想的な魔法の世界へと導いてくれる。
 先日、私が暮らす南部の都市シュツットガルトのクリスマスマーケットに足を運んだ。会場のマルクト広場に到着すると、装飾された屋台が所狭しと軒を並べていた。小路を歩くと、辺り一面から甘酸っぱいグリューワインや香ばしい焼きソーセージの匂いが漂ってくる。焼き栗や綿菓子、ワッフルやナッツなどを売る屋台も…。手作りのろうそくや、手編みのマフラー、手袋など多種多様の手工芸品も売られていた。
 中でもクリスマスツリー用のオーナメント(装飾品)は、アンティーク物からモダンなものまで何百種類とそろっている。老舗店のそれは値も張るが、細部まできめ細かくデザインされており、次の世代まで使えるほど丈夫で品質が高い。わが家では、主人が子どもの頃に使っていたものに加え、子どもたち用に毎年、1個ずつ新品を買い足してツリーを飾っている。
 ツリーと並んでドイツの家庭に欠かせない装飾品がクリスマスピラミッドと呼ばれるキャンドルスタンドである。四隅に立てたキャンドルに火をともすと、熱の力で上昇気流が起こり、中央の回転軸の上に取り付けられたプロペラが回る仕掛けになっている。会場には5メートル以上ある大型ピラミッドが設置され、稼働する様子が来場者の目を引いていた。ただ、さすがに火力でなく、電力で動いていたようだが。
 クリスマスを前に街のメインストリートもクリスマス一色に染まる。この時季は観光客も多いせいか、普段よりもにぎわっているように感じる。ミニチュア蒸気機関車や観覧車、メリーゴーラウンドなどが登場し、無邪気にはしゃぐ子どもたちでにぎわっていた。機関車はクリスマス・シーズンに欠かせない風物詩でもある。12月に入ると、店頭に機関車模型を飾るお店が多く、子どもや買い物客にPRするアイコンなのだ。
 このように、ドイツ中の誰もが待ち望み、胸を躍らせるクリスマスマーケット。全国各地で開催されるが、観光名所になるほどの大規模なものもあれば、地元の人が中心のこぢんまりしたもの、地域色を生かしたものなど、実にさまざまな雰囲気が楽しめるのが魅力だ。いつか各地のクリスマスマーケットを巡り、その土地の魅力を発見する旅に出たいなと思っている。(宮武加苗=シュツットガルト在住)

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