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英国・手厚い福祉 維持に課題
英国の福祉は、かつて世界一といわれていた。「ゆりかごから墓場まで」と、その充実ぶりを表現する言葉があったほどである。約30年前までは、目が悪いのは病気扱いとされ、国民保健サービスから眼鏡が無料で支給されていた。
元ビートルズのメンバー、ジョン・レノンがかけていたトレードマークの丸眼鏡も当初は国の支給品だったことは有名な話だ。彼がその眼鏡を使い始めた影響で、目がいい若者まで眼鏡の支給を望んだという余談もある。
英国に移り住んで40年近く。歯の治療も20年前までは無料だった。そのためか、いくら痛くてもなかなか麻酔を打ってくれなかった。それが費用の半額を個人が負担するようになった途端、すぐに麻酔をしてくれるようになり、驚いたことを覚えている。
ただ無料ではあっても、難病の場合は、申し込んでから治療開始まで期間を要した。そのため、富裕層は高額な費用を負担して治療を早く受けられるようにしていた。今も昔も貧富の差でどれだけの高度先端医療が受けられるかは変わっていないようだ。
そんな英国だが、60歳を過ぎると、手厚い福祉が受けられる。病気を治すのにかかった費用は薬代も含めて無料。3カ月に1度の血液検査もただである。ほかに、年に2回の目や糖尿病の検査、インフルエンザの予防接種も費用負担はない。さらに65歳を過ぎると、大動脈瘤(りゅう)の検査も無料になる。
英国が欧州連合(EU)から離脱することはおととしの国民投票で決まったが、都市部以外の離脱賛成票が多かった。田舎に住む高齢者がその中心層で、英国が難民をどんどん受け入れたら、自分たちが受けている保健医療の特典が削減対象になると考えたためといわれている。
英国は難民であっても平等な福祉を提供する。難民は仕事に就いた経験がなくても、失業保険がもらえるし、福祉を平等に受ける権利を有するからだ。地方の高齢者がEUからの離脱に賛成したのもある意味理解できる。
ただ、英国は5年前から福祉予算を毎年減額しているのも事実。毎年、国会で討論される議題ではトップである。付与される国民健康保険に番号が付いており、それが国民総背番号となる。英国では、この番号がないと就業できないシステムになっている。
この番号さえ分かれば自動的に、何年働いたかを把握できる。年金の受給額も勤続年数で決まる仕組みであり、透明性の点では評価できる。ただ、現在の英国は労働力を移民に頼るあまり、彼らなしでは成り立たない職種をつくってしまった。難民を無作為に受け入れ過ぎたとの批判もある。政府も福祉政策の回復に躍起になっており、どうバランスを取るのか今後の取り組みが注目される。(渋谷英秋=ロンドン在住)
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