リポーター発

アメリカ

米国・サプリ依存 健康被害も

2018/2/21

 今日、あなたはサプリメントを飲んだだろうか。そのサプリメントの効果はいかほどだろう。ここ米国では、政府の調査によると、2人に1人が、何らかのサプリメントを摂取しているそうだ。
 米国に暮らして2年、いまだに不思議なのがサプリメントの身近さである。大型スーパーには、冷凍食品や生鮮品と同じ区画ほどのサプリメントコーナーがあり、陳列棚に製品がぎっしり。ドラッグストアでも、インターネットでも手軽に入手できる。医薬品でないので医師の処方箋は不要。市場に流通する製品数は数万種類あるといわれる。
 米国がサプリメント大国なのはなぜ? 消費者が摂取する主な理由は、純粋に健康維持だと聞く。アメリカンメニューの代表格であるハンバーガーやピザなどを副菜なしで食べ続けていたら、健康に害があるかもしれない。栄養バランスの偏りをサプリメントに頼るのは効率的ではある。
 もともとサプリメントの市場規模はそれほど大きくなかった。1994年に「栄養補助食品教育法(DSHEA)」が議会で可決されたのを機にドル箱産業へと急成長した。この法律で食品医薬品局(FDA)の厳しい規制が大幅に緩和され、効能の内容は製造側の自由裁量に。FDAの承認がない製品が市場に多く出回ることとなった。
 賛否両論あるだろうが、消費者側の視点からは「否」が一般的だ。問題点を挙げよう。まず、販売代理店は製品の安全性に関し、問題が発覚しないと対応策を講じない。つまり法廷での争いになるまでサプリメントは「推定無罪」。消費者が犠牲になって初めて司法は動く。数年前には肝疾患を多く引き起こしたケースが実際に起こっている。
 製品を選ぶ時の一番の指標であるラベル表示。その不明瞭さも問題だ。医薬品ではないため、疾病の治療や予防効果の表現は認められない。「コレステロールを減らします」ではなく「コレストレールを好ましい値に維持します」。「うつ病に効きます」は「気持ちを改善するのに役立ちます」という具合だ。
 ラベル表示自体が的確でないという指摘もある。薬草サプリメントのほとんどが米の粉末と雑草からできている、との研究発表には驚いた。ある医師はDSHEAについて「意図的に不適切な療法を合法化した」と言い切るほどだ。「摂取の有無は主治医や栄養士、看護師、薬剤師といった適切な知識を持ち、信頼できる人に相談するのが望ましい」。これは知人の弁である。
 サプリメントに翻弄(ほんろう)されず、原点であるバランスのよい食事に立ち戻るべきだろう。なるべくたくさんの食品を好ましい組み合わせで食べ、栄養価が高い緑黄色野菜を中心とした食生活を心掛ける。そして適度な運動をすることで十分健康は維持できるのでは、と感じるのは私だけだろうか。(プーセンプ麻衣=ロチェスター在住)

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