リポーター発

ドイツ

ドイツ・日独つなぐ合気道教室

2018/2/21

 ドイツでは、空手や柔道、合気道など日本の武道が人気である。精神の鍛錬や、護身術を身に付けさせようと、子どもを武道教室へ通わせる親が少なくない。私が暮らす町にも合気道教室がある。主宰者は、フォルカ・ホッホヴァルトさん(46)。小柄ながら、しっかりとした体つきで、はかまがよく似合うすてきな男性だ。
 フォルカさんは2003年、自宅の一部に道場を設け、合気道教室を開いた。以前は、ドイツ国内の日系企業でエンジニアとして働いていた経験があり、日本とは縁が深かったそうだ。今では150人の生徒を抱えるほどの人気に。7歳になる私の長男も4歳の頃からずっとこの教室で合気道を学んでいる。
 合気道を始めたのは15歳の頃という。武道に興味があった兄と一緒に新しい習い事を探していたときに合気道に出合ったそうだ。柔道や空手のことは何となく知っていたが、合気道はそれまで聞いたことがなかったそう。母親が調べたところ、当時住んでいた町に合気道教室があり、すぐに入会したそうだ。
 その後も合気道熱がやむことはなく、ドイツ国内だけでなく欧州各地で開かれる合同稽古に参加し技を磨いた。2001年に初めて日本を訪れ、これまでに計5回、日本で稽古を重ねた。1カ月ほど長期滞在したこともあり、空いた時間に観光や日本食を楽しんだという。今ではすっかり日本びいきだ。
 合気道を通して学んだ精神性が、仕事の上でとても役に立つと話すフォルカさんだが、学習意欲はなお盛んだ。週に1度、日本人の先生から日本語レッスンを受ける。好きな日本食は豚汁で、知人からもらった自家製のみそを使い、自ら調理することもある。食卓にみそ汁が登場することも多いそうだ。
 好きな日本語は「花」。理由を聞くと、「僕のプリンセスの名前だから」と少し照れくさそうに教えてくれた。プリンセスとは、フォルカさんのまな娘、ハンナさんのことだ。聞けば、奥さんとの出会いもまた合気道だったそう。彼女も日本で稽古した経験があり、現在、フォルカさんの教室で、先生として彼をサポートしている。
 その親しみやすい人柄からか、フォルカさんと稽古をする子どもたちはみんな笑顔がいっぱいで実に楽しそうだ。見ているこちらも癒やされる。彼の合気道教室を通じて、たくさんの人が日本の伝統と文化に触れてくれればと願っている。(宮武加苗=シュツットガルト在住)



この記事に対するコメント
一覧

  • コメントはありません

  • この記事にコメントするへ
  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧