リポーター発

フランス

フランス・公立の音楽学校 身近に

2018/3/5
コンセルヴァトワールのホールで楽器を演奏する生徒たち 

コンセルヴァトワールのホールで楽器を演奏する生徒たち 

 わが子に音楽関係の習い事をさせたいと考える親は多いだろう。私も子どもが生まれてからそう考えていた一人。小学生になった長女を本年度から音楽の学校に通わせることにした。
 フランスでは、日本のようにピアノやバイオリンなどを個人レッスンできる。しかし、もっと身近な存在が各地にある。コンセルヴァトワール(Conservatoire)と呼ばれる公立の音楽・舞踊学校がそれで音楽や舞踊、演劇などを学ぶ場所だ。
 中でも、世界中からレベルが高い留学生が集まるのがパリ国立高等音楽・舞踊学校である。フランスには国立校がパリとリヨンにそれぞれ1校ずつ、地域圏立校が41校、県立校が105校ある。レベルは県立、地域圏立、国立の順に上がり、上に行くほど入学や学習内容が難しくなる。
 私が暮らすオルレアンには、県立校のコンセルヴァトワールが1校ある。入学条件は学校によって違い、試験だったり、抽選だったりする。長女の場合は、9月に始まる学校で申し込みは6月からだった。必要な書類を全て送付すれば到着順で入れるということだった。初日に学校に行ってみると、すでに多くの保護者が必要書類を受け取るために列をなしていた。
 コンセルヴァトワールの授業は、子どもたちが通う学校の放課後や土曜日にある。入学年齢も、オルレアンの場合は6歳からと小学校に上がる年齢に合わせてあった。ちなみに、最初の1年間は楽器は触らない。音感や音楽理論などを学ぶソルフェージュ、楽典などにひたすら取り組む。2年目からは楽器を選んで演奏もするようになる。授業も増えてくるので、週に3回以上は通うことになる。
 日本では楽器や舞踊の習い事は費用が高いイメージがあるだろうが、コンセルヴァトワールは公立の機関である。そのため学費も驚くほど安い。学費は保護者の収入によって幅があるが、安いと年間60ユーロ(約8千円)。高くても300ユーロ(約4万円)である。さすが芸術が身近で「芸術の国」と呼ばれるだけのことはある。
 ちなみに、数年ごとにテストがあり、合格すると上のレベルやクラスに行ける。楽しむというより、基礎からきっちりと音楽や舞踊を習うので、小さいころから通っている子の中には音楽経験者の両親から無理やり通わされ、音楽が大嫌いになったという子も結構いるそうだ。
 長女はコンセルヴァトワールに通い始めて数カ月。今のところは楽しんで通っているようである。どこまで続けられるか、しっかり見守っていきたいと思う。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

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