リポーター発

フランス

フランス・教科書・宿題 日本と違い

2018/7/23
娘の担任が教材をコピーし、配ったプリント類。ノートに貼って、手作りの「教科書」となる

娘の担任が教材をコピーし、配ったプリント類。ノートに貼って、手作りの「教科書」となる

 長女が小学校に入学して1年近くたった。フランスの学校と日本の学校はいろいろ異なることが多く、最初は戸惑ったがだいぶ慣れてきた。その違いを紹介してみたいと思う。
 フランスは幼稚園から大学まで公立を選択すると授業料はかからない。初めはすごいなと思っていたのだが、日本と比べるとお金をかけないような工夫がされている。日本の学校だと、義務教育の期間中は全ての教科書が全員に配られていた。フランスの場合、教科書は貸し出しである。しかも、教科書は市や学校ごとに決まっているわけではなく、なんとクラスの担任が全ての権限を持っている。
 また、私の子供の頃の記憶では、多少変更もあったが、担任の先生は毎年何人かが生徒と一緒に持ち上がりだったと思う。フランスの場合は、1年生の担当の先生はカトリーヌとセリーヌというように固定されているのである。
 そのため、先生がこの教科書を使うと決めたら、先生が変わらない限りはずっとそのままである。新学期に教科書を借りる場合はまず、きれいに外側にカバーを付けるのだ。スーパーにはカバー用のビニールがよく売っている。教科書によっては、書き込みがしてあったり、ボロボロなものもあったりする。それは、その教科書を手に取る子の運ということになるらしい。
 ちなみに長女の今年の担任は、教科書を全く使わない人である。先生は全ての教材を毎回コピーしてプリントで配り、生徒たちはノートに貼ったり、ファイルに挟んだりして使用する。
 違う学校に行く友達の子と比べると、授業の速度も全然違う。その子は教科書を借り、それに合わせたワークブックを使い、文章を読むそうだが、うちの娘は数カ月間、ひたすら発音の練習ばかりして、最近やっと単語を書き、文を読むようになってきた。同じ地域の公立の学校なのにここまで違うのかとびっくりする。
 それからもう一つ、フランスでは数年前に宿題を廃止する法律ができた。なんでも、移民が多いため宿題を出すと、移民の親を持つ子どもが不利になってしまうので、差ができないように宿題を出さないことにしたらしい。
 でも実際には、先生によって出す人もいる。保護者たちの間では「宿題をたくさん出す先生は良い先生」と言う話が広がっている。娘の先生はそれで言うなら、良い先生である。しかしこの先、フランスで教育を受けていない移民の母の私が宿題を見られなくなるのは時間の問題である。私も一緒にフランス語の勉強を頑張らなくてはと強く思う。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

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