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アルゼンチン

【アルゼンチン】「国際日系デー」を祝う

2019/7/21
国際日系デーの記念フラッグにメッセージを書く日系3世の男性たち

国際日系デーの記念フラッグにメッセージを書く日系3世の男性たち

 ブエノスアイレス日本庭園で6月20日、国際日系デーの祝賀会が初めて催された。「国際日系デー」は2018年6月、米ハワイであった「海外日系人大会」で制定された。1868年6月20日に、日本から最初の集団移住者がハワイに到着したことを記念している。
 日系人は世界中にいる。アルゼンチンにはこれまで3万5千人いるとされてきた。最近では、日系社会と直接関わりを持たない人も含めると、5万人とも6万人ともいわれている。
 アルゼンチンに移住した最初の日本人は牧野金蔵で1886年のことだった。正式に移民が始まったのは99年で、今年はちょうど120年となる。
 今回の祝賀会は、3世の若者が中心になって企画した。3世は2世よりも日本回帰の傾向があるようだ。2世の多くは、戦争体験者である親(1世)が日本のことを話したがらなかったり、しつけに厳し過ぎたりすることに反発している。さらに、学校などでからかわれたケースもあり、日系人であることにいい感情を持っていない。その反動として、3世はあまり教えられなかった日本や日系人のことを知りたいと思っているようだ。
 来場した2世の多くは「親は日本人ですが、私はアルゼンチンで生まれ育ったアルゼンチン人です」とはっきりしている。そして「1世は移住者で、日本人だ」と言うのだ。実際、1世も、日本にいる日本人から「日系人」と見られていても、自身は「日本人」だと考えている。
 この考え方はおそらく、アルゼンチンでは出生地を中心に考えるためだ。日本人が日系人にいつ変わるのか、もしくは変わらないのか、興味深いところである。ちなみに、アルゼンチン生まれの3世であっても親が日本領事館に届けていれば国籍上は日本人である。
 しかし、祝賀会では1世もNIKKEI(日系)に含められていた。これはもしかしたらスペイン語の文脈の中で、新しい語彙(ごい)が形成されつつあるのではないかと感じた。「日系」という言葉は日系人、日系企業というように形容詞的に使われている。一方、スペイン語では、DIA DEL NIKKEI(日系の日)と名詞的に使われる。「日系人=NIKKEI」ではないようだ。
 さらに、最近は「NIKKEI」を、親日家も含めるべきかどうか議論が起きている。自分の心構えや気持ちによるのではないかという説もある。
 現在、在アルゼンチン日本人は約2千人といわれる。駐在員たちを除いて、アルゼンチン生まれの日本人がどれだけいるのか、そして日本生まれの日本人がどれだけいるのだろうか。
 「世界の日系人の連携を促進し、国際社会にさらに貢献するため、6月20日を『国際日系デー』とする」という宣言は、これから世界中の日系人、そしてNIKKEIの心を一つにできるキーワードなのではないだろうか。(相川知子=ブエノスアイレス在住)

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