リポーター発

フランス

【フランス】大規模スト 交通に影響

2020/1/20
オルレラン市であったデモ(2019年12月17日)

オルレラン市であったデモ(2019年12月17日)

 フランス各地で30年ぶりとなる大規模なストライキが昨年12月5日から行われ、全国で交通網などに影響が出ている。「燃料税の削減」を訴えて2018年11月に始まったジレジョーヌ(黄色いベスト)のデモも続いている。ジレジョーヌは、今では「富に対する連帯税の再導入」「最低賃金の引き上げ」「エマニュエル・マクロン大統領の辞任」などを訴え、現在も毎週土曜日に実施されている。これに加えて、このストライキが始まったのだ。
 今回は、マクロン大統領が打ち出す年金制度改革案に抗議して起こったものである。改革案の全容はまだ公表されていないが、政権下では現在、職業ごとに42種類に分かれている年金制度の一本化を進めている。パリの地下鉄や国鉄の職員は、夜間や土日祝日の労働義務など他の職種より過酷な条件での勤務が義務付けられており、早期退職が認められている。労働者の大半は60歳すぎに退職するのに対し、彼らは平均55・7歳で退職しているようだ。年金制度が変わると早期退職ができなくなり、勤務年数が増えるのを懸念してストライキが行われている。
 同様の抗議は、他にも新しい年金制度に不満を持つ弁護士や病院、教育機関、警察や消防にも広がっている。
 ストライキでパリ市内の地下鉄やバスは間引き運転や運休となっている。移動が困難で学校を休まざるを得ない子どももいるようだ。
 パリから南100キロの、私が住むオルレアン市では、パリまで通勤している人も多い。しかし、パリまでの電車の運休や間引き運転で、通えなくなっている人もいる。この状況がいつまで続くかは未定だ。
 子どもたちが通う学校でも12月に何度か休校になった。月初めに学校を管轄するオルレアン市から「ストライキが原因で学校が休みになる可能性がある」という一斉メールが送られてきた。しかし、休みにするかどうかは、市全体でなく、学校やクラスの担任ごとに決まるようだ。周りの学校に通う知り合いに聞いてみても、学校が休みの日はさまざまだった。12月末から冬休みなので、この時期に休まなくても…と思うのが日本人の私である。だが、フランス人は権利をきちんと主張するので、国民の60%は今回のストライキにおおむね賛成のようである。
 また、抗議デモも各地で行われ、フランス労働総同盟は、政権への抗議デモに計150万人が参加したと発表したそうだ。
 デモに参加していた中学校の女性英語教師によると「平日にデモに参加する場合、勤務先での休みは認められている。ただ、無給になるので金銭的に難しい部分もある」という。また病院関係者の話では、デモをすると表明していても、実際には救急患者に対応するため、希望者全員が参加はできないなど、それぞれが可能な範囲で参加しているらしい。
 先日、近所のスーパーに行ったら、店の中にいた客がフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を一斉に歌いだした。店員も止めるでもない。周りにどんどん集まる人たちを見て、フランス人の団結力のすごさを感じた。ただ私としては、早く日常の生活に戻ってほしいと願うばかりである。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

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