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【ベジスタイル(東広島市)三宅祐二社長】 自社野菜でジュース提供

2019/10/21
三宅社長(左端)に取材する右から脇さん、李さん、藤原さん、服部さん

三宅社長(左端)に取材する右から脇さん、李さん、藤原さん、服部さん

 コマツナやビーツ、ケールなどの野菜を栽培するとともに、自社の野菜を使ったジュースやサラダを提供するカフェを広島市中心部で展開するベジスタイル(東広島市)。サラリーマンから一転、農業の世界に飛び込み、積極的に事業展開する三宅祐二社長に、農業への思いや魅力を聞いた。
(聞き手は、広島大大学院・李玥明、広島国際大・脇円佳、服部千寿生、広島修道大・藤原杏)

 ―農業を始めたきっかけは何ですか。
 結婚して子どもが生まれたのを機に、「食べる物が作れたら多少、何かあっても生きていける」と考えた。ちょうどその頃、広告代理店で法人営業をしていて、出会った何人もの社長からも「これから農業が伸びる」と聞いていた。
 紹介を受けて中川農園(広島市安佐北区)を訪ねたら、中川和義代表に「わしのところに来りゃあ大丈夫よ」と言われ、その日のうちに決めた。妻に「会社辞めるわ。農業するわ」と話したら、不安そうながらも理解してくれた。
 中川農園では2年半、研修した。がむしゃらだった。独立した時には充実感にあふれていて「よっしゃ、これからだ」という気になった。
 ―ジュースやサラダの店「ベリテ」を始めた理由を教えてください。
 もともと農業を始めたとき、野菜の生産作業だけでなく、加工や飲食事業を考えていた。そこで出合ったのが「コールドプレスジュース」。専用のジューサーを使って圧力をかけるので、摩擦熱に弱い栄養素などのロスが少ない。1杯に野菜・果物を約1キロ使うから、農家がやるのが一番いいと思ったのに加え、広島県内で扱っている所がなかったので話題にもなるだろう、と始めた。
 初めは、ダイエットやデトックス(解毒)に興味のある人をターゲットにしていたが、意外にも広島東洋カープや広島ドラゴンフライズの選手たちアスリートたちに人気だった。いつも肉を食べていて野菜が嫌いな選手も多く、手軽に野菜が取れるのがいいようだ。
 ―農産物の安全に関する国際規格のグローバルGAP(農業生産工程管理)を取得したのはなぜですか。
 世界基準でかっこいいと思った。もともと生産履歴や工程管理などをある程度記録していたので、当たり前のことをやるだけでよかった。パソコンが使えればできるのではないか。システム化しておけば、1人抜けても作業が滞ることはない。
 ―輸出にも役立っていますか。
 もちろん。シンガポールに1回トライアル輸出し、今はマレーシアやシンガポールなどから引き合いがあり、県を通して商談中だ。シンガポールではコマツナが1袋550円、水菜は600円で売れた。日本のパッケージは人気が高い。コマツナの市場価格が10〜20円に暴落して、出荷できなかったことを考えると、海外向けは85円くらいで安定して売れる。
 ―学生へのメッセージをお願いします。
 常識にとらわれることなく、やりたいことや可能性を感じたら、どんどんやってほしい。楽しんでいる方がいろいろなチャンスに巡り会える。本気でやりたいと思ったら、情報が入ってきて道が開けるはずだ。

 ▽みやけ・ゆうじ 高陽東高卒業後、システムエンジニア、住宅メーカー勤務などを経て2007年、アットホーム(東京)入社。09年退職後、中川農園(広島市安佐北区)での研修を経て12年みやけ農園(同)開業。13年ベジスタイル設立。広島市中区出身。

 ▽ベジスタイル 2013年、東広島市志和町別府で設立。町内4カ所計2ヘクタールの農地(ビニールハウス14棟含む)でビーツやパプリカ、葉物野菜を生産する。16年2月、自社で生産した野菜を使ったコールドプレスジュース専門店「ベリテ」広島本通店(広島市中区)、18年3月に同広島バスセンター店(同)をオープンした。17年3月にグローバルGAP(農業生産工程管理)認証を取得した。資本金100万円。19年3月期の売上高は9700万円。パートなどを含む従業員は約20人。

【インタビューを終えて】
 広島大大学院2年・李玥明(24)
 三宅社長が会社員を辞めた決断に感動した。安定している仕事を辞めるのはプレッシャーがかかるはずだからだ。私もやりたいことをやってみたい。家族が支えてくれるかもしれないし、想像したことのない風景が目の前に広がるかもしれない。

 広島国際大2年・脇円佳(まどか)(19)
 三宅社長はとても前向きで、何事もやってみないと始まらないという強い意志を感じた。私は思いを行動に移すとき、ためらってしまう。しかし、挑戦することが自分のためになり、失敗してもそれを乗り越えることで経験値が上がると学んだ。

 広島国際大2年・服部千寿生(ちずき)(19)
 収穫したての野菜がシンガポールで売られたと聞いて驚いた。国内と鮮度は変わらず、さらに取引の要望があるという。取材終了後「ベリテ」広島本通店でコールドプレスジュースを買って飲んだ。非常に飲みやすく、リピートしたいと思った。

 広島修道大1年・藤原杏(18)
 西日本豪雨で被害を受けたときでも、社員を不安にさせないよう笑顔で振る舞って逆境を乗り越えた三宅社長の責任感の強さに心を打たれた。農業に「楽しさ」を見いだした三宅社長のように、私も何事に対しても「楽しさ」を忘れないでいたい。

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