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【マエダハウジング(広島市中区)前田政登己社長】住宅改修 客と価値観共有

2019/8/26
前田社長(左端)に取材する右から清水さん、亀山さん、斉藤さん、市川さん

前田社長(左端)に取材する右から清水さん、亀山さん、斉藤さん、市川さん

 人口の減少で、住宅の新築需要が縮小するとともに、空き家が増えている。現在、築25年を過ぎた住宅は価値がなくなるとされている中、広島市や近郊で、リフォームを手掛けるマエダハウジング(広島市中区)の前田政登己社長(54)に、ゼロから事業を始めたきっかけや思いを聞いた。
(聞き手は、広島経済大・亀山冬二、広島女学院大・斉藤渉夏子、広島修道大・清水仁裕、市川愛実)

 ―住宅リフォームを始めたのはなぜですか。
 高専を卒業して、3年間勤めたマツダを辞めた後、たまたま面接を受けに行ったのが大手リフォーム会社だった。お客さんの喜ぶ顔が見られ、直接関われるのが楽しかった。しかし、売りっ放しでアフターケアがない。別のリフォーム会社に転職しても同じような状態だった。「何かが違う」と思っていた時、そこの会社の人に誘われて、2人で独立した。
 独立して約1年後、仕事始めの日、会社に行ったら社長が夜逃げしていた。取引先に囲まれて「金を払え」と求められたが、どうにもできない。これは自分でやれということかな、と1人で始めた。
 ―リフォーム事業をする上で、大切にしていることは何ですか。
 まず、「どうしてリフォームしたいのか」という目的をはっきりさせてもらうところから始めている。「ガーデニングがしたい」「子ども部屋が欲しい」などの要望を聞きながら、予算や物件探しをする。リフォームは、お客さんとの共同プロジェクト。価値観を共有して一緒につくり上げていく。
 リフォームは、リピート利用とお客さんからの紹介が生命線。リフォームした後もきっちりサポートする。何かあればすぐに駆け付けて対応できるようにしている。また、トイレの詰まりや水漏れなど小さい工事専門のスタッフも6人置いている。顧客満足度は高い。
 ―どのような人がリフォームを依頼していますか。
 10年余り前から、中古住宅を買ってリフォームする人が増えてきた。30代が多い。しかし、不動産会社に行っても物件があまりないし、打ち合わせが長引くためリフォームを勧めてもらえない。そこで、リフォーム主体の不動産子会社を設立した。資金計画から物件探しなど一つの窓口でやっている。
 あくまでも地域密着型でやっていくので、県外への進出は考えていない。
 ―学生時代の経験で役に立っていることはありますか。
 小学5年でソフトボールを始めた。毎日練習して6年の時、津山市の大会で優勝した。こつこつ頑張ればいつか結果が出ると知った。中学、高専はバレーボール。高専時代には中国地区大会で優勝した。続けてよかったし、上下関係を学んだ。これらの体験が、現在開催している少年野球やけん玉などの「マエダハウジングカップ」につながっている。
 ―大学生にアドバイスをお願いします。
 「今」を大切にしてほしい。お金はなくても時間はある。今できること、今しかできないことをやってほしい。私自身、もっと勉強しておけばよかったと思い、今は学び直しのため大学院に通っている。

 ▽まえだ・まさとみ 1986年津山高専機械工学科卒業後、マツダ入社。89年に同社退社後、リフォーム会社数社を経て、マエダハウジング創業。現在、県立広島大大学院経営管理研究科に通う。津山市出身。

 ▽マエダハウジング 本社は広島市中区八丁堀。1993年1月に安佐南区で創業。95年4月に広島県府中町で法人化。住宅リフォームや新築の設計、施工、管理など。同市佐伯区や東広島市など7カ所に店を構える。2016年に経済産業省「先進的なリフォーム事業者表彰」受賞、17年に同省「地域未来牽引(けんいん)企業」に選ばれた。19年6月に本社を現在地に移転。資本金1億円。18年12月期の売上高は20億9千万円。従業員数60人。

【インタビューを終えて】
 広島経済大3年・亀山冬二(21)
 マイホームを持つ夢や、リフォームやリノベーション(大規模改装)の意義を改めて認識できた。私自身も将来、今両親が住んでいる実家をリフォーム、リノベーションして、長く大切に住み続けたい。

 広島修道大3年・清水仁裕(20)
 苦境に立たされた時にも常に前向きだった姿勢に感銘を受けた。リフォーム事業は顧客視点に立つことが大切で、最終的には対人関係が重要だ。私も今後、相手の気持ちに立った接し方を身に付けたい。

 広島女学院大2年・斉藤渉夏子(わかこ)(19)
 就職したら必ず3年は勤めること、そして、どうしても自分に合わないと思ったら新しい道を探すことも大切だと知った。どんな環境や境遇に置かれても、明るく諦めないよう精神力を鍛えることが大事だ。

 広島修道大1年・市川愛実(19)
 「ただ売って終わりではなく、その先も顧客との関係を大切にする」という言葉に、人気の理由があると思った。経営学科の学生として、授業で得た知識が実践されていて良い学びとなった。今後に生かしたい。

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