リポーター発

イギリス

【英国】続く制限 団結の姿勢

2020/6/3
距離を空けてスーパーの入店を待つ人たち

距離を空けてスーパーの入店を待つ人たち

 新型コロナウイルスの影響が依然として深刻な英国。3月下旬に事実上のロックダウン(都市封鎖)が導入されて以来、規制は少しずつ緩和されているものの、生活や経済活動への制限は続いている。
 英政府は、企業が一時帰休とする従業員の給与について、月2千500ポンド(約33万8千円)を上限に8割を支給する補助制度を実施している。8月以降は雇用主が一部を負担する形となるが、10月末まで延長が決まっており、長期戦に臨む覚悟がうかがえる。例年であれば今の時期は人であふれ返っているはずのパブも、再開は最短でも7月になりそうだ。
 私自身は3月半ばから在宅勤務を続けている。さまざまな変化に慣れつつあるが、まだ生活に不便に感じることもある。例えば食料品の買い物一つを取っても、一度に入店できる人数が限られており、2メートルの間隔を空けて入店待ちの長い列に並ばなければならない。
 一方で、人々の思いやりや優しさに、温かい気持ちにさせられることも多い。スーパー各社は、封鎖措置が導入される前から、率先して医療従事者や高齢者を優遇した。専用の利用時間帯を設ける、宅配サービスを優先する、といった措置を取った。当初は品薄になることも多かったため、心強かったことと思う。
 こうした姿勢は利用客にも表れている。スーパーの列では、若い男性が高齢の女性に順番を譲ろうとしていた。女性は感謝しながらも断っていたが、それを見つけた入り口の係員が、女性を優先的に案内し、周りもやりとりを温かく見守った。
 もちろん、人々の不安やストレスを意識させられることもある。英国ではもともとマスク着用の習慣がない。公共の場での着用が推奨される今も、使用率はさほど高くない。そんな中、私がマスクを着用していると、「マスクを着けたアジア人」に警戒感を抱くのか、すれ違う際に大げさに避けられることがある。
 心ない行動に走る人もいる。「自分は新型コロナの感染者だ」と言う男性から唾を吐き掛けられた駅員が、感染して死亡するという痛ましい事件も起きた。
 こうした行動を取る人もいることは事実だが、個人的には、周囲の前向きな様子に助けられる方が多い。近隣の家の窓には、医療従事者への応援メッセージや、「きっと乗り越えられる」「助け合おう」といった言葉が貼られており、見るたびに励まされる。未曽有の事態に団結して立ち向かおうという姿勢が、自粛生活を継続する上での心強い支えとなっている。(浜家尚美)

窓に貼られた「大丈夫だよ」のメッセージ

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