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【ファーマシィ(福山市)社長 山中修さん】健康な暮らし守る薬局に

2020/6/25
山中社長(左端)に取材する右から神津さん、道原さん、沢井さん、手島さん

山中社長(左端)に取材する右から神津さん、道原さん、沢井さん、手島さん

 調剤薬局の先駆けとして知られるファーマシィ(福山市)。法曹界から薬局業界に転身した山中修社長(42)に、事業への思いや展望、学生へのメッセージを聞いた。
(聞き手は、広島工業大・手島慶祐、福山大・道原あやな、広島市立大・神津圭佑、広島修道大・沢井春之介)

 −「調剤薬局の先駆け」と言われているのはどうしてですか。
 診療報酬の改定により医薬分業が前面に打ち出され、「医薬分業元年」と言われるようになったのが1974年。その2年後に武田宏会長(74)が起業し、国立福山病院(現福山医療センター)前に1号店を開きました。当時は調剤薬局という業種すらなく、開店休業状態だった、と聞いています。

 −なぜ、そんな時期に開業したのですか。
 薬剤師として製薬会社に勤めていた武田会長が73年、米国に留学したのがきっかけです。現地では薬局の薬剤師は社会的地位が高く、頼りにされる存在でした。日本でも同じような薬局をつくりたい、と始めました。

 −山中社長が法曹界から薬局業界に転身したのはなぜですか。
 弁護士になり、法律事務所に10年間所属しました。激務でしたが、やりがいがありました。
 当時、私の調剤薬局への認識は、処方箋と薬を交換する場所、という程度でした。しかし、妻の父である武田会長は熱意の塊のような人で、私に「今の薬局、薬剤師は駄目だ。まだできることがある」と理想を語りました。健やかな暮らしにつながることをすれば、収益は後から付いてくる、と。聞いているうちに、私も薬局の可能性を感じるようになり、チャレンジしようと飛び込みました。裁判所の書記官をしている妻と2人の子どもは東京にいて、私は単身赴任中です。

 −「法」と「薬」に共通する部分はありますか。
 あります。法も薬も、よりよい、健やかな暮らしをするためにあります。
 ―法曹界にいたからこそできることはありますか。
 弁護士、法律家は問題発見と問題解決が得意です。一つの事実に対して、いろんな視点で物事を見ることが、今の仕事でも生かせていると思います。

 −力を入れている業務は何ですか。
 薬局のイメージを変えようとしています。処方箋を持っていなくても、気軽に相談に来てもらえるようにしたい。薬の専門家である薬剤師が相談に乗ることで、一般の医薬品を使って解決できる場合もあります。病院で受診した方がよいと勧めることもできるし、病気の予防も可能です。
 これは、団塊の世代が75歳以上になり、医療、介護サービスが逼迫(ひっぱく)する「2025年問題」に備えたものでもあります。できるだけ在宅医療を、とのニーズが高まるからです。今後、新規部門として通所型デイサービス事業についても検討します。

 −学生時代にやっておいた方がよいことはありますか。
 大学時代は一番自由なとき。いろんなことにチャレンジしたらいいのでは。役に立つから、というより、興味を持ったことをやってほしいです。

 ▽やまなか・おさむ 2000年3月早稲田大法学部卒業。03年に弁護士登録し、森・濱田松本法律事務所(東京)に入所。12年同所共同経営者(パートナー)。14年ファーマシィ取締役、19年7月から現職。横浜市西区出身。

 ▽ファーマシィ 本社は福山市沖野上町。1976年11月に設立し、同年12月に調剤薬局を開局。現在、広島、岡山、東京、大阪、沖縄など12都府県で94局を展開する。資本金5千万円。2020年3月期の売上高は212億1599万円。従業員数817人(4月1日現在)。

【インタビューを終えて】
広島工業大4年・手島慶祐(21)
 弁護士と薬局が全く結びつかなかったが、弁護士の「良いこと、正しいことをする」が、薬局の「健やかな暮らしにつなげる」と同じ、と聞いて納得した。山中社長のように挑戦心と積極性で、お客さまの満足を第一に考えて仕事ができる社会人を目指したい。

福山大4年・道原あやな(21)
 薬剤師を目指す私にとって、薬局、薬剤師の今後に関する取材は貴重だった。薬局は、処方箋に沿って薬を渡すだけでなく、健康の悩みや薬物治療を相談できる場所となっていくと実感した。薬剤師の活躍する場をさらに開拓していこうという精神も魅力的だった。

広島市立大3年・神津圭佑(20)
 今後の日本の医療体制や、その課題への対策がより具体的に見えてきた。医療を国任せにせず、地域として支えていくことが重要だと分かった。自分にとって薬局のイメージは薬を処方するだけだったが、体の不調を気軽に相談できる所に変わった。

広島修道大2年・沢井春之介(20)
 揺るぎない熱意や目的意識を持って仕事に取り組んでいく大切さを学んだ。また、地道な努力の積み重ねで着実に発展していく様子も感じられた。私もささいなことでも未来につながると信じ、懸命に励んでいく姿勢を胸に、工夫して生活していきたい。

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