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アルゼンチン

【アルゼンチン】平和式典 スペイン語配信

2020/8/18
スペイン語で同時配信した広島の平和記念式典

スペイン語で同時配信した広島の平和記念式典

 広島が被爆から75年を迎えた8月6日朝、平和記念式典をスペイン語で同時配信した。アルゼンチンを中心に世界中のスペイン語圏の人たちが「遠隔参列」した。
 スペイン語のオンライン中継は、非政府組織(NGO)フンダシオンサダコとトゥクマン日本人会が共催した。フェイスブックやインスタグラムの会員制交流サイト(SNS)で配信したほか、ウェブ会議システムZoom(ズーム)でスペイン語への同時通訳と解説をした。
 ブエノスアイレスは、時差12時間のため、まだ8月5日の夜だったにもかかわらず、アルゼンチン各地の多くの人が参加した。ウルグアイやチリ、さらにはスペインのガリシア地方ビーゴからも参加があった。ビーゴの小学校では平和教育が行われ、原爆の子の像にささげるため千羽鶴を広島に送ったという。
 広島平和記念式典のライブ中継は数年前から実施されている。英語チャンネルもあるが、スペイン語圏の人たちには、式典のスピーチは難しく、英語のままで理解できる人は少ない。また、今年は新型コロナウイルスの感染拡大という問題もあった。アルゼンチンでも患者は毎日増加する一方で、収束する気配はない。
 アルゼンチン北部の都市トゥクマンに移住して64年になるトゥクマン日本人会の橋本一正会長は「長い間にはいろいろなことがある。落ち着いて行動しよう」と呼び掛けた。若い世代がネット技術で協力してくれ、計93人が平和記念式典の同時配信を見て広島を訪問した気持ちになった。
 新型コロナの感染拡大を防ぐため、規模が縮小された式典に驚いていたが、こども代表の「平和への誓い」にみんな涙を流した。「タンゴを平和の懸け橋として、コロナ禍が終わったら日本に行きたい」というタンゴ教師。日系の教授は「これまで式典の様子をテレビで見たことはあるが、全部見たのは初めて」と話した。スピーチをする人たちの胸のリボンが水色と白だったので「アルゼンチンから私たちが見ているのが分かって国旗の色にしてくれたのだろうか」という冗談も飛び出した。
 多くの参加者が「式典に参列した気持ちになり、感動的だった。決して核保有を許してはならない」と意見が一致した。また小学生の参加者は「いつか平和記念公園に行きたい」と日記に書いてくれた。
 こども代表の「平和への誓い」でも言及していたが、コロナ禍で日常がいかに大切なものだったか再確認する機運が生まれた。そして、多くの人々に平和な世界を希求する気持ちが高まったことが大きな成果だったと感じている。(相川知子)

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