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【ヤマサキ(広島市中区)社長 山崎宏忠さん】ヘアケア市場 前向き開拓

2020/9/18
山崎社長(左端)に取材する右から高田さん、垰野さん、市川さん、三垣さん

山崎社長(左端)に取材する右から高田さん、垰野さん、市川さん、三垣さん

 海藻エキスなどを配合したヘアトリートメントや洗顔料、美容液などの製造販売をするヤマサキ(広島市中区)。厳選した原料や独自のマーケティング戦略で、大手がひしめく市場を、広島から切り開いてきた。創業者の山崎宏忠社長(75)に、事業への思いや学生へのメッセージを聞いた。
(聞き手は、安田女子大・垰野さくら、広島修道大・市川愛実、広島市立大・三垣穂菜美、広島文化学園大・高田真希)

 ―創業のきっかけは。
 父が警察官だったので大学卒業後は私も同じ職業に就いたが、親戚には実業家が多く、自然と憧れを持っていた。警察官の制服をクリーニング店に出すと、いつもきれいになって返ってきた。業務用洗剤を使っていると聞き、個人向けとしても売れると考えた。警察官を退職し、25歳で創業。メーカーに直接問い合わせて仕入れ、個人宅を1軒1軒回る訪問販売から始めた。
 顧客と会話するうちに、当時のシャンプーやリンスに不満を持ち、髪について悩む人が多いと感じた。メーカーに問い合わせ、ヘアケア商品の仕入れや販売を始めた。それが今の分野に踏み出すきっかけになっている。

 ―他社に負けない強みを教えてください。
 マーケティングから商品開発、製造、営業、コールセンター業務など、商品を顧客に届けるまでの全ての機能を自社で持っていることが強みだ。あらゆる面を勉強して蓄積を重ね、商品を出してからも常に改良、改善を続けている。
 22年前に発売した洗い流さないトリートメント「ラサーナ海藻ヘアエッセンス」は毎年、国内売り上げ1位(富士経済調べ)になっている。当時は「洗い流さないトリートメント」という商品は他になく、考え方自体が普及していなかった。通販では好評だった一方、店舗ではなかなか置いてもらえなかった。社員が店頭に立ってサンプルを配りPRすることで商品の良さを知ってもらった。
 業務用洗剤を訪問販売していたときから、サンプルを配って試してもらうことに力を入れている。商品の良さを実感してもらうことが一番の広告になる。

 ―会社経営を続ける中で苦労したことは。
 ことし創業50年だが、苦労の連続だった。創業当時の訪問販売では断られることも多かったし、怒鳴られることもあった。
 商品開発でも100失敗した中で1しか成功しない。新商品を世に出すというのはそれほど大変なこと。でも私は苦労することが当たり前と思っているから、苦にはならない。ゼロからスタートしたから毎日が闘い。一生懸命に前を向いてやってきて、50年があっという間だった。

 ―学生に向けてアドバイスをください。
 どんなときもプラス思考でいることが大切だ。訪問販売でも断られて悩んでいたら次には行けない。断られても笑顔を忘れず次の家へ行く。笑顔を忘れないことで自然と楽観的に考えることができるようになる。
 何かしようと思って不安になっても、考える前に「即実行」することを社内でも大切にしている。行動しているときも修正できることは「即実行」する。そして終わってから行動を振り返り、「即実行」で反省を生かしていくということも大切だ。

▽やまさき・ひろただ 1967年、中央大経済学部を卒業し、警察官に。機動隊の一員として69年8月、大学紛争が続いていた広島大本部構内の封鎖解除に出動した。70年、25歳の時に依願退職し、業務用洗剤の代理店を起業して50年経過した。広島県熊野町出身。

▽ヤマサキ 本社は広島市中区舟入本町。1970年4月に業務用洗剤の代理店として個人創業し、73年に法人化。頭髪用トリートメントや洗顔料、美容液などを製造販売する。経済産業省の「中小企業IT経営力大賞」(2008年)などを受賞。20年2月期の売上高は42億5千万円。従業員数272人。

▽インタビューを終えて
安田女子大2年・垰野さくら(19)
 社長の「苦労して当たり前だと思っているから、どんなに大変なことがあってもそれを苦に感じない」という言葉を聞いて、その精神的な強さに驚いた。社長の徹底したプラス思考と行動力こそ、売れ続ける商品の開発や発売に結びついたのだろうと感じた。

広島市立大3年・三垣穂菜美(20)
 「香り」を大切にして社員がアロマセラピーの資格を持っていると聞き、お客さまに寄り添う姿勢に感心した。市場調査から研究開発や販売までを自前で行っている会社ならではの強みを学び、今後の就職活動で企業を研究するときにも生かしていきたいと思った。

広島修道大2年・市川愛実(20)
 社長の「前を向き続ける」という言葉が強く印象に残った。前を向いて進むことは誰にでもできることではないが、現代に求められる姿勢だと思った。冗談交じりに笑顔で質問に答えてくれた社長の姿に、私自身も前向きになるきっかけをもらった。

広島文化学園大3年・高田真希(23)
 社長のプラス思考と行動力にとても驚いた。顧客の髪質を考えて、丹念に研究や開発に取り組んできたからこそ、長年愛される商品を作り出すことができたのだと思う。私もどんな困難や苦労があっても前向きに捉え、目標や夢を実現できる人間になりたい。

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