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【マリモホールディングス(広島市西区)社長 深川真さん】不動産市況 見極め進化

2020/10/21
深川社長(右端)に取材する左から貴船さん、漆谷さん、手島さん

深川社長(右端)に取材する左から貴船さん、漆谷さん、手島さん

 マンション開発の地場大手で、主力の家族層向けブランド「ポレスター」を中心に、全国44都道府県に412棟2万6881戸(2020年9月末現在)を供給するマリモ(広島市西区)。設計事務所として創業し、マンション以外も手がける不動産総合デベロッパーへと転身してきた。同社を傘下に持つマリモホールディングス(同)の深川真社長(47)に、事業への思いや学生へのメッセージを聞いた。
(聞き手は、広島女学院大・漆谷愛梨、広島工業大・手島慶祐、広島大・貴船桃佳)

 ―入社したきっかけは。
 大学3年生が終わるまでに、卒業に必要な単位をほぼ取得できたので、社会勉強のために父の会社でアルバイトをしたいと相談したら「入社しろ」と言われた。きっかけは軽い気持ち。4人兄弟の四男で、すでに入社していた兄2人と一緒に会社を支えていこうとは思っていた。父を尊敬していたし、早く入社して学びたい思いもあった。
 4年生のときは、週2日大学に行って残りは他県に行ってマンションを売った。販売していた3LDKのマンションの一室に社員4〜6人で2段ベッドを置いて寝泊まりした。朝になったら片付けて、その部屋を顧客に案内。楽しかったし、いい経験だった。先輩や上司、お客さんからまずは好かれる存在になることを心掛けた。

 ―34歳でマリモの社長に就任しましたね。
 27歳のとき、父に後継指名され、どんな社長になりたいか悩んだ。創業者の父は頑固でカリスマ性があり、ワントップで引っ張っていく社長。でも自分はそういうタイプではない。バランス感覚を重視した社長になることを目指そうと思った。ボトムアップとトップダウンが両立する会社にしようと取り組んできた。
 就任の翌年、リーマン・ショックが起きた。同業他社が次々に倒産した時代。そんな中、会社を存続できたのは決断が速かったからだ。他社が土地を仕入れている中で、市況の悪化を感じ、国内で進めていたプロジェクトの開発用地を売却。すでに建設した物件を売ることに集中し、組織のスリム化や人員の削減にも踏み切った。
 その後、倒産した他社の物件を買い取り、付加価値を付けて売る「再販事業」にも取り組んだ。厳しい時代を社員みんなで力を合わせ、乗り越えたことで、強くなれた。またこのとき、事業の幅を広げておく必要性を強烈に感じたことがきっかけになり、分譲マンション専業から、海外事業やマンション以外の不動産開発、さらには不動産以外へと事業の領域を拡大してきた。

 ―今後の目標は。
 社会の役に立つことと企業経営の二つを両立する「ソーシャルビジネスカンパニー」になること。金もうけと社会貢献を一つの企業の中で追求できたら理想的だ。例えば空き家問題など、社会課題はたくさんある。郷土愛も強いから生まれ育った広島への地域貢献もしたい。
 今は「強いだけ」「もうかるだけ」じゃ駄目。多面性を持ってこそ企業が成り立つ。長期的に見ると、収益だけを追い求めるのではなく、社会課題の解決とのバランスを取っていくことが必要だと思う。

 ―学生へのアドバイスをお願いします。
 僕は意識が高い学生ではなく、勉強もしていなかった。でもテニスサークルでは部長を務めて約50人の部員を束ね、大変なこともあったが楽しく過ごした。皆さんも何もしないのだけはやめた方がいいと思う。対人関係を築きつつ、自分が楽しめる、のめり込めることを見つけてほしい。

 ▽ふかがわ・まこと 1995年3月広島修道大商学部卒。94年、在学中にマリモ入社。99年に取締役に就任し、2000年に後継指名を受けて社長室長の傍ら住宅流通事業部長、調査仕入部長を歴任。07年3月、マリモ社長に就任した。15年、マリモホールディングスを設立し現職。広島市西区出身。

 ▽マリモホールディングス 本社は広島市西区。2015年設立。グループ中核のマリモは1970年に設計会社として創立し、90年に分譲マンションの開発に進出。2008年のリーマン・ショック後、不動産総合デベロッパーへと転身した。16年、持ち株会社制に移行。子会社9社が、不動産、環境衛生、ITや薬膳教育などの事業を展開している。20年7月期の売上高は860億円(グループ連結見込み)。グループ従業員476人(10月1日現在)。

▽インタビューを終えて

広島女学院大3年・漆谷愛梨(20)
 気さくな人柄で、社員を大切にしている印象を持った。ずっと働きたいと思えるような会社を目指しているからこそ事業拡大も成功したのだと思う。利益と社会貢献を両立させるビジョンを目指しているところに感銘を受けた。何をやるにしても人とのつながりが大切なのだと学んだ。

広島工業大4年・手島慶祐(22)
 社長は強さと優しさがあり、ぶれない生き方や考え方の軸を持っているのだと感じた。数々の困難を乗り越えてきた経験を聞き、仕事に対する情熱や生き方にとても共感した。対人関係を築く大切さも教えてもらい、仲間を大切にすることで相手から信頼されるのだと改めて実感できた。

広島大4年・貴船桃佳(23)
 収益だけにとらわれず、社会課題の解決にも真剣に取り組んでいる姿が印象的だった。広い視野を持っているからこそ、みんなが住みたくなるような住居を提供できるのだろう。学生生活と仕事を両立していた経験を聞き、残り半年の学生生活の過ごし方を見直すきっかけになった。

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