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【ロジコム(広島市東区)社長 大上正人さん】物流・倉庫業の枠超え探求

2020/12/16
大上社長(左端)に取材する右から白石さん、和名谷さん、中村さん

大上社長(左端)に取材する右から白石さん、和名谷さん、中村さん

 国内外に約40拠点を構え、自動車部品の保管、納入代行を行うロジコム(広島市東区)。保管、納入代行だけでなく、長距離輸送やシステム開発、通関業務、自動車部品製造など、物流を中心に、幅広い事業を展開する。昨年就任した大上正人社長(42)に、事業への思いや学生へのアドバイスを聞いた。
(聞き手は、県立広島大・白石紗耶佳、広島女学院大・中村萌音、広島市立大・和名谷茉耶)

 ―大学卒業後の就職先はどのように決めましたか。
 企業経営は「ヒト・モノ・カネ・情報」と言われる。大学では人事組織論のゼミで「ヒト」の部分を学んだ。そこで就職先では「カネ」の部分を学ぼうと考えた。経営者たちに会って話をできるのも魅力だと思い、銀行を選んだ。
 社長に就任以降は、新型コロナウイルスの影響で一時的な大変さはあったが、楽しさの方が勝っている。一つの部署に限らず、つなげて考えることができるのが経営者の仕事の面白さだ。責任が大きいからこそ、アイデアが実現したときの達成感も大きい。
 例えば昨年は設立60周年で、作業服を新しくした。デザイン性に加え、ポケットの位置一つについてもミリ単位で調整。夏場の暑さ対策や安全性といった機能も大切にした。社員の満足度を少しでも高めたかったし、取引先で見てもらえれば会社のPRにもつながる。

 ―物流業の面白さは。
 物流の定義は変わってきている。現代の物流の使命は、生産者から利用者へ商品をタイムリーに届けることで物の「使用価値」を最大化することだ。
 ロジコムはもともと木炭の製造販売からスタート。縁あって自動車部品の保管や輸送を始め、地元以外にも届けてほしいとの声から県外に拠点を拡大していった。今ではシステム設計など、いわゆる「物流」ではない業務もある。
 今年、製造部門で何か新しいことにチャレンジしてみようというプロジェクトを立ち上げ、子ども用の足踏み式消毒液スタンドを作った。社員にとって自分たちの強みを認識する機会になるし、新しいことに挑戦する意欲が湧く。過去の常識にとらわれず、いろいろなことに挑戦できる会社だ。時代の変化について行けないと滅んでいく。新しいことに挑戦することがいつの時代も必要だ。

 ―他社に負けない強みは。
 国内の全自動車メーカーと接点があること。直接取引をしていなくても、部品メーカーを介して各自動車メーカーの工場にロジコムのトラックが出入りしている。ロジコムは自動車メーカーの系列に属していない。以前はそれが弱みでもあったが、今はメーカーも会社の垣根を越えて物流の効率化を進めている。各社の違いを知り、業務提案などもできることが強みになっている。
 社員はもちろん、社員の家族が誇りに思える会社を目指している。社員は勤めるうちに会社に愛着を持ってくれるが、家族は、社員が楽しそうに仕事から帰ってくるかなど全部含めて良い会社かどうか判断する。だからそこを目指せば間違いないと思う。

 ―学生へのアドバイスをお願いします。
 学生のうちに、一生付き合える友達をつくってほしい。社会に出て知り合う人とは違う付き合い方ができる。そして社会人になったら、遠くと近くの両方を見ることを忘れないでほしい。目標を意識しながら、目の前のことを一生懸命やってほしい。

 ▽おおうえ・まさと 慶応大総合政策学部卒、英ロンドンビジネススクール修了。2001年、みずほ銀行に入り、法人営業を担当。07年、ロジコムに入社。浜松営業所長などを経て、米国と英国に留学した。帰国後、専務などを務め、19年6月、社長に就任した。広島市南区出身。

 ▽ロジコム 本社は広島市東区。1959年、木炭製造販売の大上商店から、自動車部品輸送の中国日発サービスに改組。91年、現社名に変更した。国内35拠点、海外6拠点を構える。主要事業である自動車部品の保管・輸送に加え、自動車部品製造や組み立て、物流管理システムの開発、通関業などを展開している。2020年3月期の売上高は273億円。グループ従業員数は1233人。

▽インタビューを終えて

 県立広島大2年・白石紗耶佳(19)
 大上社長のチャレンジ精神がとても印象的だった。私は新しいことを始めるときリスクを考えてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことがある。社長の「せっかくだから今やろう」という言葉を聞いて、自分の意志を強く持ち、プラス思考で挑戦しようと心動かされた。

 広島女学院大3年・中村萌音(21)
 大上社長の気さくな人柄と、「社員の家族が誇りに思える会社を目指す」という姿勢に会社の魅力を感じた。「常に遠くと近くを両方見ることが大切」という言葉をこれからも思い出し、大きな夢を持ちながらも、小さなやるべきことを一つ一つこなしていきたい。

 広島市立大3年・和名谷茉耶(21)
 新しいことに挑むとき、不安はないのかとの質問に「多少の失敗は恐れない。挑戦したいことはやれるうちにやっておこう」と答えてくれた大上社長の行動力に感銘を受けた。リスクにとらわれて立ち止まるのではなく、まず実行する―。前向きな思考から人生の指針を得ることができた。

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