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アルゼンチン

【パラグアイ】パラグアイ

2021/1/6
MNPyが主催した「パラグアイ日系女性の会の集い」の参加者

MNPyが主催した「パラグアイ日系女性の会の集い」の参加者

 パラグアイは南米の中心にある国で、アルゼンチン、ブラジル、ボリビアに囲まれた内陸国だ。新型コロナウイルスの感染拡大により、他の南米諸国ほどではないが、集会禁止など市民生活が制限されている。そんなコロナ禍にありながら、パラグアイ日系女性の会MNPyが発信力を発揮して、南米各地の女性とのネットワークを育んでいる。
 昨年12月、インターネット会議システムを使って集いが開かれ、「フロンティアを越えて―ピンチをチャンスに」と題した講演があった。アルゼンチンやブラジル、ボリビア、ウルグアイ、ペルー、日本など11カ国から日系女性を中心に100人以上が参加した。
 講演者はジャパンタイムズ代表の末松弥奈子さん。祖父の神原秀夫さんは1956年、広島県沼隈町(現福山市)からパラグアイ南部のフラム(現ラパス市)への移民事業を展開。事業はアルゼンチンやウルグアイへと広がり、南米移住史では「沼隈移民」と呼ばれている。家業の海運・造船会社は、ウルグアイで日本米を生産し、南米に流通させた。近年は常石グループとしてパラグアイに造船所を建設。在パラグアイ広島県人会を通じたラパス日本人会への日本語図書寄贈の輸送に貢献、パラグアイの日系社会と友好関係を深めている。
 例年、末松さんも年末にはパラグアイを訪れていたが、今回はコロナ禍で訪問と講演はできなくなったと思われた。しかし、MNPyはリモートでの開催を企画した。「メンバーは専門技術や特技を生かして適材適所で活動します」と、代表の田中クリスティーナさんは説明する。インターネットが得意な人をはじめ、広報やデザイン、通訳などそれぞれが役割を担った。
 田中さんはパラグアイ生まれの日系2世で、日本語とスペイン語を流ちょうに話す。保険会社の社長で、在パラグアイ日本商工会議所の会頭も務める。日本人移住80年の翌年の2017年、国際女性デーのイベントを女性の力で開催した実績がある。地方の日本人会には婦人部があるが、自己実現やビジネス関係を深めるため女性が集まるのは初めてだった。しかし、在パラグアイ日本大使館の公使から相談を受けた際、女性有志12人がすぐにそろったという。
 パラグアイの財界では日系人の活躍が目覚ましく、女性実業家も増えている。コロナ禍で一堂に会するイベントは開けなくなったが、オンラインで遠隔出席が可能になり、南米日系女性のネットワーク形成の機運が高まっていることを感じている。
 南米は日系3世や4世の時代となり、会合もスペイン語やポルトガル語が中心で、日本語や日本文化との関係が薄れている。MNPyが掲げるテーマ「フロンティアを越えて」は、「国境だけでなく、人と人との垣根を越えて」という意味なのだという。南米の真ん中に位置するという地理的な意味だけでなく、南米の「心の中心」として日本とのつながりを盛り返してくれるのではないかと期待している。
(相川知子=アルゼンチン・ブエノスアイレス在住)

オンラインで開催された日系女性の会の集い

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