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2022年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る

発電コストの低減へ実証研究


代表取締役会長 奥原 征一郎 (おくはら せいいちろう)

—北九州市沖で進むバージ型浮体式洋上風力発電の状況は。

 風車を海上に浮かべる浮体式洋上風力発電システムの低コスト化を目指す、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究に参画しています。水深50メートル余りの海域にコンパクトな2枚羽根の出力3千キロワットの風車を搭載した実証機「ひびき」を2019年から運転。安全性や経済性を検証しています。22年度までの実証運転を望んでいます。コスト低減を確認し、24年の商用機販売開始を目指します。

—NEDO事業として先進的な浮体式洋上風力発電システムが新たに採択されました。

 脱炭素化の動きが加速する中、洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化の切り札と位置付けられています。遠浅の海が少ない日本では、風車の土台を海底に固定する「着床式」だけでなく「浮体式」の実用化が必須。普及に向け、発電コストのさらなる低減に直結する先進的かつ斬新な技術「オプティフロー」のNEDOの実証研究にも参画しています。

 オイル&ガス産業で広く使われてきたタレットと呼ばれる1点係留システムを世界で初めて採用するほか、つり橋用に使われるガイワイヤを活用してタワーや浮体を軽量化します。出力6千キロワットの実証機の製作に、昨年から着手。1キロワット時あたりの発電コスト20円を切る技術の確立を目指します。北九州市若松区白島沖で24年度に実証運転の開始を目指しています。

—風車の大型化に取り組みます。

 羽根の直径が265メートル、重量が約千トン、出力2万キロワットの洋上専用の風車を国産で開発する計画です。主要部品は全て国産品の予定です。40年までの需要は2千機といわれており、約4兆円の市場が見込まれます。部品点数が多い風車の生産を国内で行えば、自動車産業のような裾野の広い産業の育成につながります。

—今後の目標は。

 洋上風力発電は、温室効果ガス排出量の約4割を占める電力部門の脱炭素化はもとより、エネルギー自給率の向上にも大きく貢献します。世界各国が開発を競う中、より早い技術の確立とともに、国内でのサプライチェーン(供給網)の形成にも尽力します。地形や気候条件の近いアジア圏への発電システムの輸出も念頭に、世界をリードしていきます。


バージ型浮体式洋上風力発電の実証機
概要
社名株式会社グローカル
本社所在地〒737-0046
呉市中通2丁目6-6
Tel 0823(21)6660
設立2013年4月
事業内容・大型風力発電機の製造、販売、設置、運転及びメンテナンス
・浮体式洋上風力発電システムの開発、製造、販売、設置、運転及びメンテナンス
・レストランの経営
資本金2450万円
売上高9億2100万円(2021年3月期)
従業員数53人(2021年3月現在)
支社・支店・工場東京支社、北九州営業所
ホームページhttps://g-local.co.jp

企画・制作/中国新聞社地域ビジネス局
※2022年中国新聞元旦号に掲載したものです。